近年、小学生の卒業式において、袴を着用して式典に臨む児童が増えて問題視されていますよね。
「華やかな服装で出席させてあげたい」という親心はわかるのですが、義務教育での卒業式でしかも小学生に「そこまでするのはどうかな?」と、個人的には思ってしまいます。
普段着慣れない和装で、着せられている子供は変に大人びていて・・・正直かわいいと思えないのは私だけでしょうか。
ですが、子供自身がどうしても着たいと言っているのを言い聞かせることができないのであれば、親としてはしぶしぶ着せることになるでしょうかね。
そこで今回は、卒業式を迎える小学生の女児が袴を着る心構えや、親の覚悟をご紹介します。
その上で、大丈夫そうであれば決行したらいいと思います。
袴を断念する場合は着せるとかわいい、子供らしい装いもご紹介します。
目 次
小学生の卒業式で袴を着る心構えは?
「スーツの子供は、袴を着た子供の引き立て役となって可愛そう」
そんな声が聞かれる中、それでも袴を着せて卒業式に出席させる親があとを絶ちません。
しかし、何を着せて出席させるのかはその家庭の都合なので、服装まで強制するのは頂けないとする声があるのも認めなければなりません。
それでは、小学生が着用する袴の何を問題としているのでしょうか。
小学生の袴着用で指摘される問題点
小学生の女児が、袴姿で卒業式に出席する大きな問題点は以下の3つです。
・着慣れない和装の裾を踏んで転倒
・着慣れない和装でのトイレの問題
・早朝からの着付けによる睡眠不足で式中に体調不良
歩行中や階段の上り下りで袴の裾を踏んで転倒し、怪我をする生徒が相次ぎました。
実際に卒業生の8割が袴で出席したという学校では卒業証書授与式で、子供たちが転ばないようゆっくりゆっくり歩いた結果、予定していた終了時刻を1時間もオーバーしたそうです。
トイレによって着崩れを直せない子供が、先生に頼んだり親が駆け寄ったりする事態が発生し、式典が一時ストップする場面もありました。
子供に配慮したスカートタイプの袴というものが登場しているようですが、それを着用していても普段から着慣れていないので、長い裾とたもとに気を使ってトイレに時間がかかったり、裾の感覚が分からず汚してみたりと子供が苦労する場面もありました。
着付けとヘアメイクは美容室を予約し、早い子では成人式さながらの早朝4時から起こされて卒業式の準備をするんだとか。
そのため睡眠不足となり、式中に居眠りをしたり具合を悪くして倒れたりする生徒が続出しました。
その他の問題点としてあげられる課題は以下の2つです。
・卒業式の服装が今後競うように派手になる可能性がある
・経済的な理由で袴を着られなかったことからのいじめ問題
経済的に余裕がない家庭では、袴を着せてあげたくても着せてあげられないのが現状です。
そのことが原因で、いじめに発展する可能性は否定できませんよね。
子供たちに優劣がつかないように、他の家庭に配慮する必要があるでしょう。
女児が袴を着る心構え
親の『着せたい』という願望にせよ、子供自身が「着たい」と言ったにせよ、小学生が卒業式に袴を着るのであれば最低条件として次のことがいえるでしょう。
・子ども自身で着崩れを直せること
・トイレや階段の上り下りなどの所作を練習しておくこと
卒業式で袴を着用したいのであれば、最低限でもこれだけのことを子供が1人でできることが大前提です。
着慣れていないことを理由に、卒業式の進行自体に影響を及ぼすのであれば、小学生に袴姿は相応しくないということですね。
しかし逆にいえば、『着崩れの直し』や『トイレなどの所作』に問題がなければ、袴の着用はありと考えても良いのかもしれません。
小学生の卒業式で子供に袴を着せる親の覚悟
小学校生活6年間の締めくくりとなる『卒業式』だけは、子供にとっても親にとっても特別な一日となるのは言うまでもありません。
そんな晴れの日に「つまずいて転ぶかもしれない」「トイレは大丈夫だろうか」と、心配になるのであれば、子供に袴を着せるのは間違いだと認識するべきです。
子供に袴を着用させたいのであれば、歩き方や階段などの段差での所作、トイレなどをスムーズに行えるように躾をしなければなりません。
それに、子供自身にもその程度の自覚を持たせなければなりません。
これは親としての、当然の務めです。
なぜなら、いくら外見を綺麗に着飾っても行動がそれに伴っていなかったら・・・恥をかくのは子ども自身ですもんね。
袴の着付けに至っても、早朝から美容室なんてありえないです。
子供に早起きをさせて、着付けやらヘアメイクやらの準備なんて無駄な時間です。
親の方の『着せてあげたい』という願望で袴を着せるなら尚更、自分で着付けができるように練習をして着せてあげられるまでになりましょう。
プロといっても所詮は他人ですから、見栄え良く着せてはくれても細やかな気遣いに欠けます。
補正一つとっても、腰紐一つとっても、やっぱり親が着せてくれる着付けが一番着心地が良いものです。
気持ち悪いところはないか、苦しいところはないか、苦しければどこを緩めたら治まるのかなど、すぐに対処できるお母さんはとてもかっこいいです。
これにより、式が始まる前に着崩れしてしまったり、式中に気分が悪くなって倒れてしまったりすることはありません。
居眠りも防ぐことができますよね。
本当は袴なんて着せたくないけど・・・
「周りの子供たちがみんな袴を着るって言ってるんだもん」
もし袴に対して前向きでないのであれば、無理して着せる必要はありません。
卒業式の服装を袴にしなければならないという決まりはないので、つまらない流行りに乗っかる必要もありません。
傍目では、こんなふうに思われているのですよ。
「袴を身につけた子供の親の頭の中は子供のままだ」
「親の自己満足以外の何者でもない」
大学生ならまだしも、まだ小学生の子供に袴を着せる正当な理由なんてありませんからね。
卒業式に袴を着せる行為は、「お友達はみんなリカちゃん人形持ってるから私も買ってー。私だけだよ持ってないの!」って言っている子供と同じレベルです。
見栄や張りあいだけで、いちばん大切なものを無下にするのはどうかと思いますよ。
卒業式で大切なのはキラキラに着飾って今を満足することではなく、中学生となる自覚を持つことと、在校生のお手本になるようなお兄さん・お姉さんを目指すことではないでしょうか。
清々しい気持ちで小学校を巣立つのに、袴は必要ありません。
その事実を子供に言い聞かせることも、親の務めですよ。
流行りだからといって「みんなと同じようにうちの子も」なんて、無理して着せようとするからエスカレートするのです。
よそはよそ、うちはうち。
それで良いんですよ。
『流行りに乗らなくちゃいけない』って気に病んでいると、金銭的・行動的の両面において心理的に相当ストレスになりませんか?
小学生の卒業式で袴に見劣りしない装いとは?
袴のレンタル代・着付けヘアメイク代を考慮したら、それだけのお金でちょっとしたブランド物のワンピースが買えちゃいますよね。
小学校入学式のときには可愛らしい装いだったものを、卒業式では大人を思わせるシックで清楚なワンピースやおしゃれなデザインのブレザーなんかだと素敵です。
ワンピースやブレザーだったら、年が明けてからでも購入には十分な時間がありますよね。
子供の成長にあったサイズだったり、その時のトレンドを取り入れたファッションを選ぶこともできます。
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ジャケットを脱いだワンピーススタイルが可愛らしさを演出しています。
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なんといっても子供に一番にあう服装を選んであげれば、誰よりも輝いているものですよね。
小学生の卒業式で袴を着る心構えは?我が子が見劣りしない装いとは?のまとめ
『所作』『トイレ』『睡眠不足・体調不良』、どれをとっても、小学生の子供にとっては良いことがほとんどない袴。
卒業式は衣装発表会ではありませんので、どうしても娘の袴姿を残しておきたきなら記念撮影をおすすめします。
写真に残すだけなら、着替える前にトイレを済ませてしまえば着崩したり汚したりするリスクは激減します。
早朝から着付けをしないので、子供が窮屈に感じる時間を最小限に留めることができるでしょう。
お化粧を施した子供の一番きれいな姿を、プロのカメラマンが一枚の写真に収めてくれるのですから、良い思い出が作れますよね。
是非、後悔のない卒業式にしてください。