
ランドセル、進化しましたよね。
ひと昔前のランドセルといえば、重たい教科書やノートを詰め込んで背負うと肩からずり下がり、とても不安定でした。
ランドセルを背負って走ろうものなら、背中の荷物が左右に振れて振り回された・・・なんて記憶があります。
色も「男の子は黒」「女の子は赤」と、選択の余地はありませんでした。
それでも当時は、これが普通なんだと信じて疑うことはなかったですよね。
それが今では・・・。
様々な問題点がほとんど改善され、小柄な子供の体でも負担になりにくくなりました。
軽量化されたり、背中にフィットさせたり、色のバリエーションがびっくりするくらい増えたり。
6年間を、綺麗なまま無事に使えるようにと、丈夫さも強化されました。
しかし逆に選択肢が増えたことで、頭を悩ませることが起こってしまいました。
どれが一番使い勝手がいいのか?とか、
何を基準に選べば良いのか?とか、
です。
そこで今回は、子供に最適なランドセルを選ぶコツとして、革とクラリーノのメリット・デメリットをまとめました。
目 次
ランドセルを選ぶコツとは
ランドセルは、素材では大きく分けると3種類に分かれます。
・馬革
・人工皮革のクラリーノ
馬革とは、牛革よりも風合いがあり肌ざわもよい高級品です。
ですので、ランドセルを選ぶときは一般的に、牛革とクラリーノの二択にしぼられます。
ランドセルの特徴を見比べてみると、背負った時の重さや耐久性に優れているかなど、革にもクラリーノにもいい面があれば悪い面もあります。
どちらか一方をたてれば、どちらかは立たずと言ったところが悩ましいですよね。
両者のいいとこ取りした商品というのは、難しいでしょう。
では、どちらを購入するのが良いのかというと、子ども自身が見て・触って・背負ってみて選ぶのが一番なのです。
ただし、デザインがかわいいからという理由で選んでしまっては、のちのち登下校の負担になるかもしれません。
必ず試着するようにしましょう。
試着する際は、子供の背中にピッタリフィットしているかどうかを確認するのがポイントです。
背中への密着感と、ベルトの部分が子供の肩にどれだけ沿うかによって、重さの感じ方が全然違ってきます。
大人になると気づきにくいのですが、ランドセルには、背負うことでできる『魔の三角空間』というものがあります。
魔の三角空間は、ランドセルが背中から浮くことによって生じます。
たとえば、ファッションで小さめのリュックを、だらしなく背負った若者をみかけることはないでしょうか。
『だらしなく』は語弊がありますが、肩にかけるベルトを長めにとることで荷物がブランとぶら下がり、荷物があたる背中や腰に負担が生じます。
ファッションの場合、荷物が軽いのではピンと来ないかもしれませんが、登山者があの荷物の量をこのように背負った場合、とてもじゃないですが険しい山道を登ることは不可能となるでしょう。
登山者は荷物をピタッとフィットさせることで、体への負担を減らしているのです。
ランドセルも同じです。
多少重いランドセルだったとしても、背中へピッタリと密着させることによって、小さな子供の体でも楽に背負うことができるのです。
問題は、『荷物(教科書)をどれだけ楽に運べるか』なのです。
背中と肩の二箇所で、しっかりと支えられるランドセルこそが、私たちが求めているランドセルです。
お子さんが選んだランドセルが、体にピッタリフィットしているかどうかを見極めるのが、親としての責務ではないでしょうか。
とはいえ、どちらがどのような機能を備えているのかは、事前に知っておきたいところです。
次の章からは、革とクラリーノのメリット・デメリットをまとめました。
ランドセルを選ぶなら革製品!
革のメリット
・高級感や品格がある
・耐久性に優れ、丈夫で強い
・使えば使うほど味わいが増す
天然素材というのは、しなやかな質感がとても美しく、重厚感があります。
きちんとお手入れをしていれば表面がツヤツヤとなり、年月を重ねるごとに変化して味わいが出てきます。
以前の革ランドセルといえば乾燥によるひび割れを防止するために、オイルやクリームを使って磨かなければなりませんでした。
本当にお手入れが大変でしたよね。
しかし近年の革ランドセルは、子供が6年間使うことを想定して作られるようになり、ひび割れが起きにくいように加工されるようになりました。
更に、6年間の保証がついてきますので、夏休みなどにメンテナンスすることもできるのです。
クラリーノに比べると重量感がある革のランドセルですが、長く使い込むことで愛着もわきますし、なにより体に馴染んできます。
6年間使うには、革の強度は最適といえるでしょう。
・体が大きい子
・雨が降っても被害に遭いにくい通学距離が短い子
に向いたランドセルです。
革のデメリット
以前より改良されたとはいえ、デメリットはあります。
・1300gは重さを感じる
・良質な革になると7万円以上の高額となる
・定期的なお手入れが欠かせない
やはり革のランドセルの天敵となるのが、雨です。
天然素材ですので水分を嫌い、濡れたらすぐに乾いたタオルなどで拭き取って上げなければなりません。
しかも、傷がつきやすい素材です。
やんちゃ盛りの6歳や7歳の子供にとって、牛革の高級感を理解していないので乱雑に扱われる可能性もありますよね。
その点を踏まえて革のランドセルを検討される場合、大量生産はしていないので早めに購入することをおすすめします。
生産数が少ないので、人気のモデルともなれば、お盆の頃までに売り切れてしまいがちです。
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ランドセルを選ぶならクラリーノ!
クラリーノのメリット
・水や傷に強い
・お手入れいらず
・色やデザインが豊富
・刺繍もあしらっている
クラリーノの最大の強みは、『革のデメリットを克服している』という点です
天然の革の構造を人工的に再現しているのですが、水をよく弾くので、雨に濡れたとしても乾いたタオルでサッと拭けば問題なしです。
遊びながらの下校時はランドセルの扱いが雑になってしまい、遊びに夢中になってしまうとランドセルに傷がつくことがありますよね。
これも、色を表面だけでなく奥深くまで染めたことで、多少の傷がついても目立ちにくくなりクリアに解決しました。
クラリーノは改良に改良を重ね軽量化に成功し、革製品から比べると200gも軽くなっています。
革のデメリットをクリアにしたのに価格設定はリーズナブルで、3万円代という商品もあります。
革のランドセル一つ分の金額で、クラリーノが二つも買えてお釣りが来るって、すごくないですか!
クラリーノのデメリット
・人工素材ゆえに、劣化が目に見えてわかる
革は使えば使うほど深みを増し、風合いが良くなりますよね。
それに比べるとクラリーノは、使っても使っても味わいなどは出てきません。
耐久性が、革には劣っているからです。
前章でも述べましたが、6歳や7歳の子供に革の深みや重みといったものは皆無です。
ランドセルは、教科書やノートを入れて運ぶ道具としか思っていないのが現状です。
・体が小さい子
・経済的に厳しいご家庭
に適したランドセルと言えます。
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ランドセルの選び方のコツ!革vsクラリーノのメリット・デメリットのまとめ
革には革の、クラリーノにはクラリーノのメリットとデメリットがあります。
どちらを選ぶにしても必ず試着をして、フィット感を確認しましょう。
小学生の体は、たった6年間で身長が伸び、背中も広く大きく成長します。
人生の中で最も成長する時期といっても過言ではありません。
「他の子供と格差をつけたい!」
「安っぽいランドセルで惨めな思いをさせたくない!」
子供の体が成長するという基本的なことを無視して、大人の都合を押し付けるのはよくありません。
なぜならそれが原因で、子供が腰を痛めてしまったり、猫背を誘発してしまったりする可能性があるからです。
6年間、ランドセルを背負うのは子供自身なのですから、子供の背中にフィットする商品を選んであげてください。
最後にひとりごと
私は小学生時代の6年間を、ランドセルで登下校しました。
5・6年生となると周りのお友達は、ちょっとかわいらしいリュックみたいなカバンに乗り換えて、正直羨ましいと思ったこともあります。
でも、私はランドセルを6年間使い倒しました。
その理由は、「ランドセルは小学生でしか背負うことが出来ないからね」と言われた一言があったからです。
入学して学校に慣れると、周りの子供達がやっていることを真似してランドセルと乱雑に扱うことがしばしばあります。
実際に3年生の頃、ランドセルを枕代わりにうっつぷしていた愚かな行為のため、ランドセルの側面にヒビが入り二つに折れてぺっちゃんこに。
元の新品のように膨らむことはありませんでした。
潰れたランドセルを眺めつつ、恥ずかしいと感じていました。
5年生に差し掛かる頃、見た目はボロボロに。
周囲のお友達のと比べると、見劣りする自分のランドセル。
雑に扱った報いですね。
自分の過去から言えることは、もし途中で新しいランドセルを買い換えたり、使わなくなったりするのであれば、安くて耐水性にも優れ、形も崩れにくいクラリーノが絶対にいいです!
革のような風合いがなく劣化が気になるのなら、スマホのようにカバーをかければ問題ありません。
カバーは取り替えが可能ですからね。
ぜひ、楽しく過ごせるランドセルを選んであげてください!