みなさんは自分の家にハチの巣を見つけて、愕然としたことはありませんか?
我が家は集合住宅の1階に住居を構えているのですが、いわゆる“ベランダ”という共有地には物を置かない派なんです。
唯一置いているものといえば・・・、室外機と物干し台、あとはプランターが1鉢のみ。
そんなよく晴れた初夏の午前、重たい敷き布団を「よっこらしょ」と干し「やれやれ・・・」とベランダから見える風景にほのぼのしていると。
ブーンと、一匹のハチが視界をさえぎりました。
のどかな風景に、のんびりと飛んでいくハチの姿。
わたしは思わず「いってらっしゃ~い」「出勤ご苦労さまです」なんて、声をかけて見送ったのですが。
翌日、洗濯物を干しているとまた、ハチが飛んでいくのをみかけたのです。
そして、次の日も。
またその次の日も・・・。
ちょっとハチの姿をみる頻度が高いようだと気づきながらも、「夏だから」と納得してベランダ掃除をしていると。
「ひゃーーーーーっ!」
アシナガバチの巣を発見したのです。
どおりでハチが飛んでいる姿をよく見かけるわけです。
だって、我が家のベランダで飼っていたも同然の状態だったのですから。
握りこぶしよりも一回り大きいサイズの茶色の物体に近づいて、そっと下から覗いてみると、中には蜂の子がうごめいているではありませんか。
ぞぞぞーっ。
この年は父が、素人なりの完全武装でハチの巣に立ち向かい、見事勝利をおさめましたが。
翌年、なんと。
まったく同じ場所に、またアシナガバチに巣を作られてしまい、本気で絶望したのでした。
前置きがかなり長くなりましたが、やはり自分の敷地内に巣を作られて気持ちいいわけがありませんよね。
そこで今回は、アシナガバチが巣作りを断念したくなる画期的な方法をご紹介いたします。
この方法を知っていからは、ハチの巣ができることがなくなりました。
アシナガバチに毎年巣を作られて、撤去作業にお金を奪われて困っているという人は、一度試してみてください。
目 次
アシナガバチに巣を作らせない方法!新聞紙で蜂の巣ダミー
結論からいうと、アシナガバチに巣を作らせないための対策は、『新聞紙を丸めて吊るしておくこと』です。
丸めた新聞紙は、アシナガバチが巣を作りそうな場所に吊るしておくのが効果的です。
なぜなら丸まった新聞紙を、自分たちの天敵であるヒメスズメバチの巣だと、アシナガバチが勘違いするからです。
アシナガバチの巣作り環境
天敵と言っても、出会い頭に働き蜂同士が喧嘩するなんてそんな可愛らしい意味合いではありません。
ヒメスズメバチはアシナガバチの巣を襲い、幼虫やさなぎを食べてしまうのです。
これから成長して働き蜂になる子どもたちが、天敵の餌食になってしまうのです。
これぞ死活問題ではありませんか。
そんな危険な場所に、新居を構えるわけにはいきませんよね。
人間の世界に置き換えて考えるとわかりやすいです。
家を探していて、「ここなら環境が良さそうだからいいね」なんて内見している最中を想像してください。
・ブイブイ暴走行為を働く若者を見かけたり
・ご近所さん同士のトラブルを目の当たりしたり
・いかつい人物がウロウロしていたり
ね?
いくら緑あふれる公園が近くにあって、駅チカで、買い物にも困らない環境だったとしても、こんな場所に住みたいとは思わないはずです。
諦めて他の場所を探しますよね。
ハチの世界も一緒なのです。
アシナガバチだって、危険なヒメスズメバチの近所に住居を構えたいなんて思わないのです。
アシナガバチの巣作り予防対策のポイント
冬の寒さを耐えしのいだ女王蜂が、巣作りに適した環境を求めて視察する時期は、ポカポカと暖かくなってきた4月~5月頃です。
女王蜂の視察活動が昼間とはいえ、一日中ベランダを監視しているわけにはいきませんよね。
気づいたら大きな巣が作られていた・・・なんてことも。
なので、新聞紙で作ったハチの巣ダミーは3月~4月の初めまでには設置するようにしておきましょう。
そして女王蜂が巣作りをおこなう5月いっぱいまで、新聞紙は吊るして置くのがベストです。
女王蜂の視察と巣作りの時期をすぎれば、その後巣が作られるということはありません。
ハチの巣ダミー
新聞紙はバレーボールくらいの大きさにするのがポイントです。
新聞紙をくしゃくしゃに丸めて、その丸めた新聞紙をさらに新聞紙で包みながら丸めて、大きくしていきましょう。
あとは、ひもやガムテープなどで吊るすのみです。
そもそも、うちは新聞をとってないよーと言う人は、お祭り用の提灯や100均のゴムボールで代用しても、同じ効果が得られるようです。
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ハチが見ている世界は、わたしたち人間が見ている世界とは全く異なります。
ハチは『目』を5つ持っていて、3つの主眼と2つの複眼に分けられます。
主眼・・・頭頂部に正三角形のようにポチポチポチと、小さな点が3つあります。
主眼は主に明暗を感知しており、太陽の方向を認識して自分の飛行状態が正常であるかを確認しています。
複眼・・・顔の左右にある大きな丸い2つの目を指します。
人間がみている『赤色』は感知していませんが、黄色から紫外線の色までが見えると考えられています。
視力は人間の0.01程度しかないのですが、動体視力には長けています。
つまりアシナガバチは、動体視力には長けていてもド近眼な状態なので、ヒメスズメバチの形に似たものを吊るしておけば巣作り予防に効果があるということなのです。
アシナガバチが巣作りに選ぶ環境条件
アシナガバチはどのような場所を好んで、巣を作り始めるのでしょうか。
・清潔で
・雨露をしのげる
・外敵に見つかりにくく
・子育てがしやすい
やはり、安心・安全が第一のようですね。
これだけの好条件が揃っていれば、いくら古巣を撤去したところで何の予防も講じなければ、新しい巣が作られてしまうのはあたりまえです。
人気物件には新たな入居募集者が殺到する、という状況が続くというわけです
。
こんな場所は特に注意をしましょう。
・換気口から屋根裏や床下に侵入
・長い間動かさない雨戸の戸袋の隙間
・普段使用しない、若しくは出入りが少ない物置場
・草が生い茂った視界のきかない場所
・使わなくなり置きっぱなしのプランターや木材
わたしは数年前に、愛車のナンバープレートの裏に作りかけのハチの巣を発見しました。
通勤用として定期的に動かしてはいたものの、休日で使用しない2~3日に作られてしまったのでしょう。
・清潔で
・雨露をしのげる
・外敵に見つかりにくく
・子育てがしやすい
すべての条件がピッタリ当てはまりますね。
ただハチにとっての誤算は、その物件が移動式だったということです。
想像ですが、巣作りの材料を集めに行っている間に、作りかけの巣ごと車がなくなり、なくなく別の場所に引っ越した・・・ってところでしょう。
なので、日当たりのいい場所に停めている車も狙われやすいですよ。
アシナガバチの活動スケジュール
4月~5月・・嬢王蜂が巣を作り始める
6月・・・・・働きハチが羽化し巣が急速に大きくなる
8月~9月・・ハチの活動ピーク
9月~10月・・ハチの交尾(その後オスは死に、メスは気温の低い場所で越冬)
アシナガバチの性格
アシナガバチはおとなしいハチで、巣を刺激しない限りは攻撃を仕掛けてはきません。
だからといって、そのままにしておくのも気持ちがいいものではありませんよね。
洗濯物と一緒にとりこんでしまうかもしれません。
家族やご近所さんが刺されるかもしれません。
そんな不安を抱えながらの生活は耐えられません。
だから、巣を作らせないための予防が必要なのです。
アシナガバチの巣を見つけてしまったら
巣を見つけてしまったら女王蜂には申し訳ないのですが、巣が小さいうちに駆除してしまいましょう。
最初は女王蜂1匹で場所を決めて巣作りにとりかかりますが、その巣がだんだん大きくなると、巣の中に生息する蜂の数が増えていきます。
蜂の数が増えると駆除のリスクが高まります。
なるべく早く発見し駆除するようにします。
アシナガバチの巣の駆除のポイント
駆除方法としてまず、行政や業者に相談します。
アシナガバチはそもそも凶暴なハチではないため、駆除自体を行っていない自治体もあります。
すぐに駆除してくれないなど条件が合わない場合には、自力で駆除するしかありません。
自力で駆除する場合の確認事項は、以下のとおりです。
・ハチの巣を襲撃する最適な時間
・天候
巣の大きさ
ハチの巣の大きさが、10cm程度までであることを確認しましょう。
10cm程度の大きさだと、生息するハチの数が数十匹しかいないからです。
10cmを超える規模の巣には、1000匹以上のハチが生息していてとても危険です。
ハチの巣を襲撃する最適な時間
アシナガバチはわたしたちと同じく日中は活発に活動し、夕方になると眠りにつきます。
ド近眼のハチにとって太陽の光がない夜は、暗いトンネルの中を飛行するのと同じことを意味し、そんな危険な行動はおこないません。
活動が鈍っている19時~翌6時くらいまでの時間帯を狙います。
ハチの巣を駆除する最適な天候
天候でいうと、雨の日がねらい目です。
アシナガバチの羽が雨で濡れると、行動が鈍ります。
そのため餌を探しに出る働き蜂も活動が激減するので、巣の中に多くの蜂が存在する可能性が高くなります。
雨の日を狙って駆除すると、巣にいる蜂を一網打尽に出来るというわけです。
自力で駆除する場合の身なり
ハチの巣を駆除する際の服装として、3cm以上の厚手のものを着込みます。
これは攻撃されたときの、3cmくらいある蜂の針から身を守るためです。
決して軽装では襲撃するようなことはしないでください。
いくら温厚な性格のアシナガバチとはいえ、巣を襲撃されるのですから刺してきます。
・首にタオル
・帽子
・ヘルメット
装備する色は、全体的に黒っぽいもので統一しましょう。
暗がりの中白っぽいものを着ていると部屋からもれる電気の明かりを反射させて、自分の居場所を知らせることになってしまい、アシナガバチの攻撃を受ける恐れがあります。
アシナガバチの巣を駆除する手順
アシナガバチの行動が鈍っている時間帯になったら、行動開始です。
薬剤は市販されている、殺虫スプレーを使用します。
巣に向かって斜め下か真横から
懐中電灯などの明かりをつけずに
約3~5分程度噴射し続ける
巣の真下からスプレーを噴射すると、ハチが落下してくる恐れがありますので、噴射の角度には注意が必要です。
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アシナガバチの羽音に怯まず、噴射し続けるのがポイントです。
明かりをつけないのは、ハチは光のある方向へ飛んでくる習性があるためです。
10分後には、ほとんどのハチが死亡します。
巣の駆除が終わっても周りを飛んでいるものや、生き残ったものが翌日戻ってきたりします。
必ず一匹残らず始末しましょう。
巣を駆除したあとにやるべき対策
翌日、巣を撤去し燃えるゴミとして処分しましょう。
ハチの死骸には直接触らないようにしてください。
巣を撤去した後、その場所にしっかり殺虫剤をまいておきます。
なぜなら、巣に戻っていなかった蜂がその場所に戻ってくることがあるからです。
殺虫剤をまいても戻り蜂が戻ってくるようであれば、必ず仕留めるようにしましょう。
そのまま放置しておくと、生き残った蜂が新たに巣を作ってしまう可能性があります。
アシナガバチには巣を作らせない!新聞紙で作る蜂の巣ダミーが効果的のまとめ
いかがだったでしょうか。
毎年ハチに巣を作られて困っている人、まだ作られてはいないけど予防をしたいと考えていた人。
新聞紙でハチの巣ダミーを作って、日当たりが良く人の目が届かない場所に吊るしてみてください。
視力が悪いアシナガバチはその蜂の巣ダミーを見て「ヒメスズメバチの巣があるぞ。ここは危険だ」と勝手に勘違いをして、他の場所を視察しに行ってくれます。
ハチの巣ダミーは3月~4月までに設置すると効果的です。
女王蜂が巣作りをするのはほんの少しの間だけですので、盛夏の頃になると活発に活動はするものの新たに巣を作ることはありません。
すでにハチの巣を作られて自力で駆除する場合は、一匹残らず撃破しましょう。
アシナガバチは自分の生まれた場所を良く覚えていて帰巣する習性がありますので、駆除後は注意深くハチが飛んでいないかを確認する必要があります。
そして、一度でも巣を作られた場所は、アシナガバチにとっては最適な環境ということになりますので、再び巣を作らせないように予防をしましょう。
定期的に殺虫剤をまくというのも効果がありますが、薬品をあまり使いなくないというひとはハチの巣ダミーをお試しください。
最後に
記事の途中でもご紹介しましたが、アシナガバチはスズメバチとは違って比較的おとなしいハチです。
巣に近寄りさえしなければ、ハチの方から攻撃を仕掛けてくることはありません。
アシナガバチもアシナガバチなりに、一生懸命生きています。
そんな心優しいアシナガバチの大切な命を、無下に扱うのはいかがなものでしょうか。
ブンブン飛び回って怖い思いをする前に、
ベランダなどに巣を作られて駆除することになる前に、
まずは、ハチの巣ダミーを設置して、アシナガバチにはより安全でより快適な場所に巣を作ってもらいましょうね。