・なんだか豆に歯ごたえありすぎる
・黒豆なのに全然きれいに黒く煮られない
おせち料理に盛り付けられている黒豆には、まめまめしく働けるようにとか、元気に暮らせるようにといった願いが込められています。
しかも黒豆は、お重の一番上に盛り付ける料理に属する大切な一品。
なのにしわしわでいかにも固そうに仕上がってしまったら、せっかくのおせち料理が台無しになってしまいます。
「プロが作っているわけじゃないから・・・しかたないかぁ」
と、諦めるのは早いですよ。
黒豆にしわができるのには、原因があったのです。
結論は、黒豆を調理過程で空気に触れさせてしまうことと、浸透圧が関係していたのです!
そこで今回は、おせち料理のメインともいうべき黒豆を、しわなくふっくら美味しく仕上げるコツをお伝えします。
黒豆の黒色を、より美しく艶のある黒色を引き出す方法もまとめてご紹介いたしますね。
目 次
黒豆にしわがよる原因は空気と浸透圧!
黒豆の調理方法はご家庭によって様々ですが、調理方法はだいたい同じ工程です。
② 黒豆を水に浸す
③ 黒豆を煮る
④ 黒豆に砂糖を加える
⑤ 更に煮込む
大まかにはこのような工程を踏んでいるのではないでしょうか。
間違いではないのですが、ちょっとしたポイントを押さえることで、黒豆の仕上がりが劇的に変わります。
これまで使っていた材料を変える必要はありません。
黒豆のランクを、わざわざ高いものにする必要もありません。
ポイントは、水に浸してから仕上がりまで、黒豆を空気に触れさせないということと、砂糖を入れるタイミングです。
順番に解説していきます。
黒豆にしわがよる原因 その1・・空気に触れる
黒豆には空気を触れさせてはいけません。
浸け込みから食べるまで、黒豆は煮汁から上げてはいけないのです。
ポイントとなるのは以下の3工程です。
・煮る
・冷ます
黒豆を水に浸す工程
黒豆をザッと水洗いして水で浸す工程では、たっぷりの水を使う必要があります。
黒豆すれすれの水を使っていませんか?
水で浸す工程はとても重要で、黒豆に水を染み込ませ、まんまるに大きく膨らませなければなりません。
浸け置く時間も、9時間から12時間くらいが目安となっています。
たっぷり水を含んだ黒豆は、出来上がったときのサイズにまで大きくなります。
黒豆が水を吸収するということは、浸け込みに使った水かさが減るということです。
そうなると、すれすれの水に浸しておいた場合、水面に近い黒豆は、水から外に出てしまい空気に触れてしまいます。
黒豆が空気に触れると、皮にしわがよる原因となってしまいます。
それを阻止するためにも、たっぷりの水を使って浸す必要があるのです。
目安としては、乾燥した状態の黒豆のグラムに対して約6倍の水を使うようにしましょう。
その後の工程でも水を加えることをしないので、水の量が多いと感じても問題ありませんよ。
黒豆を煮る工程
黒豆を煮る工程ですが、中火にかけて煮込み始めるとアクが出てきますよね。
このアクをできる限りすくって取り除いてあげないと、渋みの残るなんとも言いがたい残念な黒豆になってしまいます。
アクを取ったら、このあとが大事です。
中火を、弱火よりも弱い火にして3時間ほどコトコト煮込んでいくのですが、ここで落とし蓋をしましょう。
実は黒豆は、コトコト煮込んでいる間に煮汁から浮いて、空気に触れてしまっているのです。
せっかくたっぷりの水でふっくらさせても、煮る工程で煮汁から出てしまってはしわしわになってしまいます。
黒豆にしわを作ってしまう人は、この工程が疎かになっていることがほとんどです。
しかし落し蓋をすることで、黒豆が直接空気にふれることがなくなり、煮込んでいる間も乾燥することがありません。
落し蓋がない場合は、クッキングペーパーやキッチンペーパーで代用が可能です。
黒豆を冷ます工程
意外とやらかしてしまうのが、冷ます工程や保存方法のミスです。
しわなく出来上がった黒豆に満足して、そのまま冷ますというのはよろしくありません。
黒豆は、食べる直前まで煮汁に完全に浸しておかなければ、空気にさらされた途端にしわしわになってしまいます。
煮る工程と同様に、落し蓋をしたまま冷ますようにしましょう。
また、キッチンペーパーを落とし蓋の代わりに煮込んだ場合は、使っていたそのキッチンペーパーを引き続きかぶせて、黒豆が空気に触れないようにするのがポイントです。
保存用の容器に移したときにも、キッチンペーパーをかけて、空気が触れることを阻止しましょう。
黒豆にしわがよる原因 その2・・浸透圧
黒豆にしわがよる原因として、空気に触れること以外で考えられるのが、甘みを加える工程の浸透圧です。
黒豆をつけ置きしてから煮込み、砂糖を加える直前までは水分をたっぷり取り込んで、黒豆自体が潤っています。
そこに、水分を吸収する砂糖を加えると・・・黒豆が取り込んでいた水分さえも一気に奪われ、結果、皮にシワが寄ってしまうのです。
豆の水分が浸透圧で出ていくことで、パンパンに張っていた皮のサイズが豆に対応せずしわになるのです。
砂糖を加えることでの黒豆のしわを防止するために、『砂糖は数回に分けて入れましょう』となっていますが、もっといい方法があります。
そのタイミングは、水につけ込んで、さあこれから火にかけますよというところで砂糖を加えてしまうのです。
加える砂糖を一気にドサッといれて、優しくかき混ぜればOKです。
火にかけてしまえば砂糖は溶けていくので、投入したときに砂糖が溶けきれなくても問題ありませんよ。
黒豆をふっくらさせる方法
黒豆をふっくらさせる方法は、出来上がった黒豆を冷ました後に、一度冷凍することです。
カチカチに冷凍することで黒豆が含んだ水分が膨張し、黒豆の細胞を破壊します。
その状態で解凍すると、破壊された部分に旨味を含んだ煮汁が更に浸透するので、できたてよりもふっくらと仕上がるのです。
冷凍すると二週間ほど保存が可能ですので、年末ぎりぎりになってから炊くのではなく、クリスマス前に作り置きができますよね。
年末は何かと忙しいですので、12月中旬に炊いて冷凍しておけば手間も省けるし、更にふっくら仕上がるので一石二鳥です。
黒豆を黒く煮るには
黒豆の黒を、より黒くする方法は錆びた釘をいれることは有名な手法です。
でも、要するに、黒豆の皮に含まれた色素となるアントシアン系を鉄製のイオンと結びつけることで、より黒さが増すのです。
なので、鉄製の鍋を使って煮込むだけでも、黒豆の黒はより黒々とさせることができます。
錆びた釘を入れなくても鉄製の鍋がなくても、安心してください。
代用できる『鉄玉子』という、鉄を加える専門の製品が存在します。
この鉄玉子を黒豆と一緒に煮込むことで、艶のある黒い黒豆に仕上げることができます。
ホームセンターなどで購入が可能なので、一度探してみることをおすすめします。
こんなかわいい鉄玉子を発見!
一緒に煮込んだら・・・ちょっとかわいそうになってしまいますね。
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黒豆にしわがよる原因は空気と浸透圧!ふっくらとより黒く煮るにはのまとめ
おせち料理に、なくてはならない存在の黒豆。
私も黒豆は大好きで、誰よりも先に、誰よりも多くの黒豆を食べています。
家族の中で黒豆が苦手という人がいるのでね・・・、ついつい食べすぎてしまいます。
しかし、一年に一度のおせち料理でしか作ることがないので、どうしてもその年その年によってはしわができたり、豆がかたくなったりとまちまちでした。
「なんとか美味しく、ふっくら作りたい!」って思っていましたが、実はあったのです。
黒豆を美味しく仕上げる裏ワザが!
おおまかな調理方法は、これまで通りで大丈夫でした。
黒豆を水に浸す
黒豆を煮る
黒豆に砂糖を加える
更に煮込む
黒豆にしわを寄らせてしまう原因は2つでした。
・砂糖を加える浸透圧
注意するのは、たっぷりの水を使ってつけ置きすることと、煮ている間も冷ましている間も保存するときも、黒豆を煮汁から出さない工夫が必要ということでした。
落し蓋やキッチンペーパーを使うと、黒豆の表面が乾燥することがないため、しわを作る心配がありません。
ふっくらさせる方法は、めちゃめちゃ簡単でした。
冷凍することで、黒豆が取り込んだ水分が膨張し、黒豆の繊維組織を破壊。
そこに、解凍する段階で煮汁が更に吸収されるのでふっくらするのでしたね。
これはプロの料理人も使っている技なので、一工夫の1つとして取り入れる価値ありです!
そして黒豆の色なんですけれども、錆びた釘を入れる必要はありません。
・『鉄玉子』という製品を入れて一緒に煮込む
ただし、黒豆をしっかり洗わない限りは黒い組織を落としてしまうことはないので、洗いの段階で、ササァ~と軽くゆすぐ程度にしてみてはいかがでしょうか。
これらの裏ワザ的テクニックで、今年はこれまで以上に美味しく、ふっくら柔らかくしわがない黒豆がつくれますね。