夏風邪は、夏にひくから『夏風邪』だと思ってはいませんか?
実は、夏風邪のウイルスと冬の風邪のウイルスはタイプが全く異なり、症状にも違いがあります。
同じ風邪だからといって冬の風邪と同じ対処をしてしまうと、長引かせたりこじらせて悪化させたりして、別の病気を引き起こす原因になります。
そこで今回は、夏風邪を引き起こす原因となるウイルスの正体について詳しい解説をしていきます。
正しい知識を身につけて夏風邪を撃退しましょう。
目 次
夏風邪の原因となるウイルスの種類
風邪のウイルスは200種類以上もあります。
多くのウイルスは低温で乾燥した気候を好み、そのような環境で猛威を振るいます。
ですが、夏風邪を引き起こすウイルスは高温で湿度の高い環境を好みます。
5月~8月の夏に活発的に活動するウイルスは重症化すると失明や痙攣を起こし、場合によっては死につながることがあります。
夏風邪を引き起こす代表的なウイルスは3つです。
エンテロウイルス コクサッキーウイルス
軽視するととても危険なことになる夏風邪ウイルスを、一つずつ解説していきます。
アデノウイルス
『アデノ』とは扁桃腺やリンパ腺を意味する言葉です。
呼吸器と腸で繁殖するウイルスで、型によって症状が現れる部位が異なります。
喉の痛みや発熱、激しい咳などの症状を引き起こし、咽頭結膜熱(プール熱)を起こします。
腹部に症状が現れると下痢や腸炎なども引き起こします。
飛沫感染や接触などでも感染します。
大人がこれにかかると、扁桃炎や肺炎などの思い症状を引き起こす可能性があります。
エンテロウイルス
『エンテロ』とは腸という意味です。
喉で感染した後に腸内で急速に繁殖します。
下痢や嘔吐など、胃腸の不調が出やすいのが特徴です。
喉の痛みや発熱も症状として現れます。
発疹が現れる手足口病などの原因にもなります。
手足口病は子供だけではなく、大人にもかかることがあります。
皮膚に水疱が集まった状態のヘルペスを起こすこともあります。
コクサッキーウイルス
コクサッキーウイルスは、エンテロウイルスの仲間で症状としては喉の炎症や高熱を引き起こします。
口の中に水疱が出来、喉が真っ赤に腫れるような強い炎症を引き起こすヘルパンギーナの原因菌とされています。
夏風邪が長引く理由
夏風邪の原因となるウイルスは腸内で繁殖することが多いので、体から排出されるまでに時間がかかります。
その上、夏の暑さによって体力や抵抗力が低下していることもあり、免疫力や抵抗力が弱まっています。
そのため、症状が長引くことになるのです。いくつかの病気の原因になるのが特徴です。
夏風邪予防
夏風邪をひく原因は『体を冷やす』ことにあります。
会社や自宅の部屋の温度を快適にしてくれるクーラーですが、クーラーをつけると部屋の中が乾燥してしまいます。
つまり喉の粘膜の防御機能が低下することによって夏風邪にかかりやすくなります。
適度な運動を取り入れ、食事では発汗を促し、免疫力を高めるためにショウガやニンニクを使った料理で体力維持に努めましょう。
規則正しい生活リズムの維持や食習慣、睡眠が重要になります。
夏風邪は、咳・くしゃみによる飛沫感染ではなく、経口感染が多くみられます。
手洗いの徹底と家庭内でのバスタオルやトイレの手拭きタオルなどの共有をしないことも大切です。
それでも夏風邪をひいてしまったら
予防をしていても夏風邪にかかる時はかかってしまうものです。
夏風邪は市販されている風邪薬での撃退効果は薄いです。
そもそも冬の風邪の症状とはちがいますので。
治し方としては、汗をかいて脱水症状にならないように『水分補給』をすることです。
こまめにスポーツドリンクや経口補水液を取るようにします。
免疫がウイルスと戦うための体力をつけるために十分な『睡眠』が必要になります。
免疫力を高めることは、体の自然治癒力を高めるということになります。
『栄養の高い食事』を心掛ければ回復は早くなります。
食欲がわかない場合は消化の良いタンパク質や炭水化物をとるようにします。
夏風邪を早く治すのに必要なことは、3つです。
・睡眠 ・栄養の高い食事
夏風邪を引き起こすウイルスとは!種類別の症状から見えてくる長引く理由のまとめ
夏風邪を夏バテだと思い込んで、発見が遅れる場合が多いです。
発見が遅れると症状が長引いてしまいなかなか治らなくなってしまいます。
不調を感じたら、早めに病院で診てもらうようにしましょう。
普段から免疫力を下げない食事をし、体の冷やし過ぎないように注意して風邪をひかない体づくりをしてください。