日本の宝、『日本三大桜』を見に行きたい!と、思っても簡単に行くことは出来ませんよね。
淡墨桜は岐阜県、三春滝桜は福島県、神代桜は山梨県。
桜の見頃は約一週間と短いもので、それに合わせるとなると、休みをとって一泊か二泊の旅行になってしまいます。
「もっと時間とお金に余裕があったら」「せめてもう少し近くに三大桜があったら」と、四国や九州の人にとっては悔やまれてなりません。
だったら三大桜と同じサイズの桜を堪能しませんか?!
三大桜の特徴といえば、高さが平均12.8メートル、根回りが10メートルくらい、枝の張りも15メートル以上というスケールの大きさです。
三大巨桜とも呼ばれ、その大きさが伺えます。
本州に出るのがちょっとしんどくても、三大桜のサイズ感そのままの一本桜が九州にあるとしたら、見てみたくなりませんか。
三大桜の風格や歴史感は浅いかも知れませんが、若くてエネルギッシュで勢いのある強さは感じることができるでしょう。
大木ではないんですよ。巨木ですよ!きょ・ぼ・く!!
圧倒的な大きさを感じたあとに、歴史や時の経過の重み、深みや味わい、わびさびといったものを肌で感じるために三大桜に会いに行ってもいいでしょう。
今回は、熊本が誇る一本桜の一心行の大桜をご紹介いたします。
一心行の大桜の由来
熊本県の南阿蘇村にその一本桜を見ることが出来ます。
樹齢は400年以上。樹高14メートル・幹回り7.35メートル・枝張りは東西に21.3メートル・南北に26メートルと、桜の木としては最高級クラス。
日本三大桜に全く引けを取らない大きさです。
なにもないといってしまうと語弊があるかもですが、なぜこのような開けた場所に一本桜が存在するのでしょう。
実は『一心行の大桜』、かつてこの地を治めていた武将、中村伯耆守惟冬(ほうきのかみこれふゆ)が眠る墓地内の菩提樹だったのです。
時は戦国時代。南阿蘇村は峯村と呼ばれていました。
この地に鶴翼城(かくよくじょう)を築き、更に三角にある矢崎城の城代も兼任する伯耆守惟冬ですが、1580年の阿蘇合戦で、薩摩の島津氏との戦いに敗れるのです。
惟冬亡き後、惟冬の妻子は少数の家臣たちと共に故郷・峯村へと戻ります。
その際、阿蘇合戦に散った惟冬と家臣たちの御霊を弔うために桜の苗木を植え、一心に行をおさめられました。
その一心の行をおさめたところから『一心行』の名がついたのです。
昭和初期、この桜の木に落雷があり幹が6つに裂けるのですが、ドーム型に広がると枯れることもなく、美しい形になりました。
しかし2004(平成16)年の台風16号と18号の影響で主幹が2本折れてしまい、現在のM字型となりました。
台風で被る傷や、空洞・腐食菌などは『くまもと緑の財団』により養生が行われています。
一心行の大桜の日頃は?
歴史ある一心行の大桜は毎年20万人の観光客が訪れるほど有名ですが、これは1999年にニュースステーションにて夜桜が中継されたのがきっかけです。
一心行の大桜の基本情報
場所/一心行公園
住所/869-1505 熊本県阿蘇郡南阿蘇村中松3226-1
桜の種類/山桜(やまざくら)
見頃/3月下旬~4月上旬
ライトアップ/満開から3日間程度
時間/9:00~18:00(ライトアップは19:00~21:00)
桜まつり/南阿蘇桜さくら植木まつり
※開花時期により開催されます。
植木や、地元の特産品の販売などのイベントが企画されています。
グランドゴルフ場では、飲食販売と共に、ゆっくりくつろげる長椅子が芝生に設置されます。
お天気の良い日だと、桜を眺めながら美味しいものが食べられそうですね。
一心行の大桜へのアクセス
【電車】 南阿蘇鉄道中松駅下車して、徒歩15分
【車】 九州自動車熊本ICから国道57号→県道28号を経由し、県道39号を中松駅方面
桜まつり開催中は、一心行公園周辺は一方通行に規制されます。誘導がある場合は従うようにしてください。
桜が開花すると、とにかく驚くほどの渋滞となりますので、スケジュールを組む際は早朝に出発し、現地には午前の早い時間に到着するように行動しましょう。
一心行の大桜の駐車場状況
駐車場/500台
利用料金/普通車500円・マイクロバス2000円・大型バス4000円・自動二輪など200円
駐車場までの道路の幅が非常に狭く、その上遠方からの観光バスが多いので、渋滞の距離はかなり長くなります。
一心行の大桜のまとめ
日帰りで大桜が見られるなんて思ってもみませんでした。
一心行の大桜に限ったことではありませんが、ゆっくり出かけようとすると渋滞に巻き込まれてしまいます。
出発する前日は早めに就寝し、太陽が登る前からお出かけすることを心がけてください。
到着は8:00くらいを目標にされると、スムーズな駐車と観桜ができます。
大桜の開花は年々遅くなってきているそうです。
1999年の報道きっかけで観光客が増え、根元が踏み固められたことで主幹の傾きが進行しました。一時は倒れるのではと懸念があった程です。
そこで現在のような柵を立て、根元への立ち入りを禁じることにしました。
平成10年からは桜まつりを開催スタートさせ、桜の保護に対する協力を呼びかけてあります。
是非マナーを守って、1000年後も2000年後も、いつまでも美しい桜の姿を守っていきたいものです。