もうすぐ5月5日、こどもの日がやってきますね。
こどもの日は『端午の節句』ということで、男の子の健やかなる成長と出世などを祈り、立派な大人になるようにという願いが込められたお祝い行事でした。
1949年5月5日より端午の節句を『こどもの日』と定め、男の子だけでなく女の子も一緒にお祝いする行事となっています。
と言いつつも、縁起物は全て『男の子のみ』に通ずるものばかりなので、女のお子さんのご家庭ではお祝いをしないというところが多いように見受けられますね。
それはさておき、五月人形を飾ろうと意気込んで収納箱を引っ張り出したはいいけれど、どの段になんのアイテムを置くんだったっけ?って、飾り付けする手が止まってはいませんか?
何しろ一年ぶりのご対面です。覚えている方が奇跡でしょう!
そこで今回は、五月人形の飾り付けの際に迷う道具やお供え物の位置についてご紹介します。
道具の中でも一際厳つい雰囲気を漂わせている、『弓』と『太刀』に込められた意味と向きについてもまとめました。
目 次
五月人形の飾り方
端午の節句・こどもの日に飾られる五月人形には、『強く・賢く・たくましくすくすくと成長し、立派な大人になってください』という願いが込められた段飾りです。
また、子供の厄を引き受けてくれるという意味でも、五月人形は飾られています。
いつの時代になっても、親は子供の健康と健やかなる成長を願うものなのですね。
それでは、何段目のどこにどのアイテムを飾るのか、位置を確認していきます。
○ 一番上の段 ○
① 奥に屏風を立てる
② 屏風の前、中央の位置に五月人形(鎧や兜)を着座
③ 五月人形(鎧や兜)に向かって右側に太刀(かたな)
④ 五月人形(鎧や兜)に向かって左側に弓矢
○ 二段目 ○
① 中央の位置に陣太鼓
② 陣太鼓に向かって右側に軍扇(おうぎ)
③ 軍扇の右側に吹き流し
④ 陣太鼓に向かって左側に陣笠
⑤ 陣笠の左側に鯉のぼり
○ 三段目 ○
① 中央に八足台(はっそくだい)にあやめ
② あやめに向かって右側に、ちまき(お供え物)
③ あやめに向かって左側に、柏餅(お供え物)
④ 両脇に篝火(かがりび)
似たようなものを左右対称に置いていくというイメージでしょうか。
ただ、似てるが故に「右だっけ?これは左??」迷いますよね。
五月人形の左右に置かれた刀や弓の意味とは?
五月人形(鎧や兜)の後ろに控えている『太刀(かたな)』と『弓』ですが、それぞれ理由・意味合いがあるってご存知ですか?
どちらも攻撃する時に使う道具ではありますが、決して武器として飾られているのではありませんぞ。
『弓』
降りてこられた神様が、その長い弓に宿るとされています。
また、弓を射る時の弦の音を鬼や魔物は嫌います。
戦いで使用するという意味ではなく、事故や災害などに遭わないためのお守りという意味で飾ってあります。
『太刀』
刀には魂が宿り、繁栄をもたらしてくれるものです。
また、刀の光を魔物が嫌うため護身具ともされています。
このように弓と太刀(かたな)には、鬼や魔物から身を守り寄せ付けない『魔除け』の意味をもっているのです。
五月人形の刀の向きは重要
繁栄をもたらし魔除けとしても飾られている『太刀』ですが、わかりやすく『柄:つか(手で握るところ)』と『鞘:さや(刃を多い保護する覆い)』は、どちらが上向きでどちらが下向きでしょう。
意外と多くの人が勘違いしているのですが、実は『柄』を下・『鞘』を上に向かせて飾るのが正解です。
戦国時代の戦というのは、毎日戦いに明け暮れていたわけではありません。
本来、戦国時代を生きる人だって平和を求めているものであり、戦いがない平穏な時間が何年も続くこともありました。
実際にこの戦のない年月は、刀の柄を下・鞘を上にという立て方をしていたのです。
そういった背景から、五月人形に飾る刀も『武器ではないから抜く必要がない』と縁起を担ぎ、『平穏・平和』の意味を込められているのです。
刀を飾るために立ててみると、確かに柄を下にした方が刀のバランスが取れて安定もしていますしね。
五月人形の飾り方を伝授!刀と弓に込められた意味とは?刀の向きとは?のまとめ
今回は五月人形や道具の配置と、一番上に飾る『刀』と『弓』についてまとめました。
強くて賢い立派な大人になって欲しいという願いが込められた五月人形ですが、道具の一つ一つにも魔除けや繁栄といった意味が込められているとは驚きでした。
刀・弓は然ることながら、陣太鼓・陣笠・軍扇は、五月人形(鎧や兜)の家来を表しているんですって。
こうして飾って、それぞれの意味を知ってみると、子供は親の愛情をいっぱい与えてもらっているのが良くわかります。
愛情を一身に受けて、その子はきっと立派に成長してくれることでしょうね。