
「粕汁を作ったんだけど、ペーストに失敗しちゃった・・・」
「魔女子の味噌汁にがい、おいしくない、食べたくない!」
酒粕といえば、日本酒をしぼったあとに残る『カス』なんだけど・・・ただのカスじゃないのをご存知かしら。
酒粕には、とっても多くの栄養素を含んでいるのよ。
● アミノ酸
● ビタミン
● ミネラル
● 食物繊維
● 乳酸菌
美肌・免疫力UP・生活習慣病の予防なんかにも大いに活躍してくれるんだから、酒粕ってあなどれないの。
以前は産業廃棄物として扱われていた『酒粕』は今・・・も、多くの酒造さんが産業廃棄物として廃棄してるって言うんだからもったいない話よね。
栄養の宝庫・酒粕の素晴らしさにいち早く気づいて、家族の健康のためにとりいれようとしているあなたは素敵よ。
なのに、ペーストに失敗してしまったら台無しになっちゃう。
お料理も、家族の健康を思いやる気持ちもね。
でも、いざ手がけてみるとなかなか溶けてくれなくて、ペースト(溶かす)工程でつまずいてしまうのよね。
ある程度で妥協するとダマになっちゃって、そのダマがお酒のよわい人の口に入ってトラウマにさせてしまうし。
なめらかクリーミーを目指すと、とんでもない時間を費やしちゃうし。
「双子の妹たちが最近、白味噌を使った味噌汁を警戒して食べてくれなくなったの」
あらあら。
最初に作った粕汁に、よっぽどイヤな思いをしちゃったのね。
酒粕は上手に取り入れるとコクがでてお料理の味に深みが出るのに・・・、やっぱりペースト次第で独特の風味が口いっぱいに広がって、イヤな人は嫌よね。
それじゃ今回は、酒粕のペースト工程で失敗しない方法を3つ紹介するわね。
ちょっとしたコツなのに、これまでの苦労が拍子抜けするほど簡単になめらかになってくれるわ。
目 次
酒粕の溶かし方 その壱・ミキサーでラクラク3秒

なんといっても、時短はお料理の基本よね。
ミキサーが自宅にあると、あっという間にペーストすることができるわ。
手順はこうよ。
① 酒粕をきざんで、ぬるま湯と一緒にミキサーにいれる
② ミキサーのスイッチON!
簡単でしょ。
たったの3秒ほどで酒粕を溶かすことができちゃうんだから、ミキサーって本当に神よね。
ハンドミキサーがあるなら、そちらでもよろしくてよ。
コツは、『酒粕を刻むこと』と『ぬるま湯の温度』よ。
コツ1・酒粕を刻む
酒粕は手でちぎるよりも、包丁で細かく刻んでおくことをおすすめするわ。
手でちぎってミキサーに放り込んだほうがラクラク簡単なんだけど、ミキサーの羽根に酒粕が絡みついて滑らかに仕上がらないの。
細かく刻んでおくことで、ぬるま湯との接地面が増えて溶けやすくなるのよ。
「口当たりをよくするためにも、包丁でこまかく刻む・・・と」
コツ2・ぬるま湯の温度
ぬるま湯を使うことで酒粕がやわらかくなって、より滑らかに仕上がるんだけど。
使用するぬるま湯の温度は、40℃くらいを厳守してちょうだい。
40℃っていえば、湯殿にはる湯加減くらいになるわね。
お湯の温度は「高いほうが早く溶けるんじゃないの?」って思いがちだけど、熱湯を直接入れると酒粕は逆に溶けにくくなっちゃうの。
更にいうと酒粕の酵素は熱に弱いから、40℃をこえるとせっかくの栄養素を壊してしまう恐れだってあるのよ。
「ぬるま湯の温度は40℃厳守・・・っと」
酒粕の溶かし方 その弐・レンジでチン!

レンチンは、オーソドックスな溶かし方よ。
どこのご家庭にもある、電子レンジを使う方法は一般的な溶かし方になるわね。
手順はこうよ。
① 酒粕と、酒粕と同量程度の水を耐熱容器に入れ、ラップをふわっとかる
② ①を電子レンジに入れて、約2~3分間様子を見ながら温めていく
③ 柔らかくなった酒粕を練り込むようにペースト
工程は、ミキサーのときと似ているわよね。
同量の酒粕と水をあわせて、モッタリするまで練り込むの。
電子レンジから取り出した酒粕をフォークなどで混ぜてみて、柔らかくなっていたらOKだけど、固いようならもうしばらく温めてね。
くれぐれも温めすぎないように、注意すること。
コツは、『水の分量』と『ペーストに使う道具』かしら。
コツ1・水の分量
酒粕に加える水の量は、基本的に酒粕と同量でOKよ。
でも酒粕に含まれる水分量は商品によって違ったりするから、まずは酒粕を実際にさわってみてほしいの。
もし手にベタベタとついてくるようなら、加える水の量を少なくするなどして調整してね。
「酒粕は商品によって、水分量がちがう・・・と」
コツ2・ペーストする道具
レンチンのあとのペースト工程はフォークやスプーンを使ってもいいんだけど、泡立て器を使うとダマが残りにくくなるわ。
よりクリーミーにするのにハンドミキサーがあれば尚よしだけど、持ってないという人は『ミルクフォーマー』を使うといいわよ。
『ミルクフォーマー』は100円ショップのコーヒーグッズのコーナーで販売されている、小さな泡立て器。
単3電池2本で動き、自宅でカプチーノが作れると大好評の商品なのよ。
「カプチーノ泡立て器が、酒粕のペーストに使えるなんて!便利ぃ♪」
100円だったらお試しで購入しても損した気分にはならないし、何より使い勝手が良いから試してみてね。
ミルクフォーマーの先端を作動させたまま酒粕から出してしまうと、せっかくペーストしたものが飛び散ってしまうので、その点だけ注意が必要よ。
もちろん酒粕は、予めこまかく刻んでおいたほうがペーストしやすくなるわ。
酒粕の溶かし方 その参・時間をかけてじっくり

ただいま、みちる。何やってるんだ?
おかえりなさい、はるか。今夜は粕汁を作ろうとおもって。
荷物をソファーに置くと上着もネクタイもそのままで、わたしを背中からギュッと抱きしめてきた。
お料理の邪魔をするのは、はるかの専売特許。
だけどわたしは、そんなはるかをスルーするのが得意だったりする。
ちょっとくすぐったいけど、背中ではるかの温もりを感じるのって・・・好きなのよね。
もしご自宅に、電子レンジもミキサーもない場合は、時間をかけてゆっくりと溶かしていくしか方法はないわ。
板状の酒粕を完璧な液状にペーストするには、約1時間半~2時間くらいはかかっちゃうかも。
手順はこうよ。
① 酒粕を、酒粕と同量程度の水に浸し90分間放置
② 酒粕が水分を含んで柔らかくなったら、スプーンなどでペースト
2ステップしかないから見た目は簡単そうだけど、この待ち時間90分が電子レンジでチンする数分に相当するわ。
待ち時間が長いから「そうだわ、今夜は粕汁にしよう」なんて、思いつきでは作れなくてよ。
みちる、こっちに来て。
きゃっ!どうしたの?今日は強引ね・・・。ふふ。
はるかはたまに、拗ねたこどものようになるのよね。
いいわよ、つきあってあげる。
ただし酒粕に水が浸透する90分だけ、だけどね。
酒粕は予め細かく刻んでおいたほうが混ぜるときに楽になるのは、ミキサーや電子レンジで解説したとおりよ。
放置する時間は90分以上。
水に浸しておく時間が短いと、酒粕が上手くペーストできなわ。
「酒粕はこまかくして、90分以上水にひたす・・・と」
スプーンやフォークで混ぜていくのもいいけど、すり鉢を活用してゴリゴリ溶いていくのも有効よ。
また味噌こしやザルなどでこしていくのも、滑らかなペースト酒粕ができ上がるわ。
お味噌と同じくらいの固さまでペーストすることで、どんな料理でも一通り使いやすい状態になるから頑張ってね。
「すり鉢・こし器を使うと、なめらかなペーストができる・・・と」
●酒粕は溶きやすいように、ある程度細かく刻んでおくと良い
●酒粕と同量程度の水を40℃に温めたもので浸しておく
●熱湯には投入しないこと(溶けにくくなる・栄養素が壊れる恐れがある)
●酒粕によっては浸す水分量を調節する
●酒粕が充分柔らかくなるまで放置するので、時間に余裕を持って調理する
●だまが残らないようによく混ぜ、味噌の固さを目安にする(水分が少ないと調理で加熱するとき酒粕は焦げやすい)
酒粕の上手な溶かし方伝授!ペースト状にする3つの方法とコツは?のまとめ
発酵食品に注目が集まる中、酒粕の栄養価の高さは見直されてきているわ。
更に、料理に隠し味として入れることでコクや深みを出し、いつもの料理をより美味しく引き立ててくれる役割を担ってくれるの。
たったスプーン1杯の酒粕でも体がポカポカと温まってくるので、冷え性の人にはありがたい食材よね。
酒粕は無理くり溶かそうとしても、絶対に言うことを聞いてくれない駄々っ子よ。
上手にペーストするには・・・、
●ミキサーを使う
●電子レンジを使う
●90分水に浸す
ご自身に合った方法で、ペーストにチャレンジしてみてね。
そうそう、100円で使い勝手100点満点の『ミルクフォーマー』はGETしておきたいアイテムよ。
みちる・・・お願い。いますぐ・・・。
ダメよ。わたしだって我慢してるんだから。
今夜、ゆっくりね。ふふっ。
わたしは今から、酒粕以上にワガママな駄々っ子をなだめすかさなきゃだわ。
本当に、困ったさんだこと。