盆踊りを踊る3つの理由!起源となる平安時代から続く日本三大盆踊り

通夜・葬儀・法事・お盆・お彼岸

盆踊りといえば、広場の中心にやぐらを組んでその周りを囲み、音楽や音頭に合わせて踊る夏の終わりの風物詩ですよね。

 

広場を明るく照らす明りとりには、たくさんの提灯で華やかに彩られます。

 

小さい子供から高齢となるおじいちゃんやおばあちゃんまで、そこに集まったすべての人たちには笑顔が溢れます。

 

お祭りの〆にみんなで楽しむ盆踊り・・・っていうイメージが強いのですが、実は盆踊りには重大な意味があったのです。

 

そこで今回は、盆踊りを踊る本当の理由に迫っていきたいと思います。

 

盆踊りを踊る理由や起源を知ることで、これまでとはちょっと違った心持ちになるのではないでしょうか。

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盆踊りを踊る3つの理由とは

盆踊りにも歴史があります。

 

その歴史を経て、踊る理由や込められる願いなどが変化していきました。

 

今でこそ盆踊りは、お祭りの〆として踊られることが多いのですが、もともとは宗教が絡んでいました。

 

・霊を慰めるため

・豊作を願って

・出会いを求める娯楽として

 

順番にご紹介していきます。

 

盆踊りを踊る理由① ~霊を慰めるため~

盆踊りの『盆』とは、亡くなった故人やご先祖様の霊をお迎えする宗教行事、お盆のことをいいます。

 

お盆の時期に戻ってこられた故人やご先祖様の霊を、慰めるという意味を込めて踊られているのが盆踊りなのです。

 

これを『霊鎮め(たましずめ)』といって、故人やご先祖様の霊と一緒に過ごして供養したのち、再びあの世に送り出すための行事だったのです。

 

そのため、お盆の終わりの15日の晩から16日の早朝までにぎやかに盆踊りを踊り、16日の盆明けに故人とご先祖様を送り出す、精霊送りをするのです。

 

盆踊りを踊る理由② ~豊作祈願~

盆踊りは、ご先祖様の霊の供養のためだけに踊られているのではなく、農作物の豊作を願うためにも踊られています。

 

豊作祈願は、豊作を願うと同時に自然の恵みに感謝する機会にもなっています。

 

日本の伝統行事には、『ご先祖様の供養』と『自然への感謝』が深く繋がっていることがとても多いといえますよね。

 

めでたい盆という意味も含んでいるお盆には、自分の今をふり返り、健康で過ごせていることを感謝する日ともいえるのです。

 

盆踊りを踊る理由③ ~出会いを求める娯楽~

時間の流れで宗教的な意味合いが薄れた頃、出会いの場として盆踊りを楽しまれていた時代もありました。

 

現代とは違って、多くの人が集まるイベントのようなものがなかった時代でしたので、とても貴重な集まりだったのではないでしょうか。

 

盆踊りの起源や由来とは

盆踊りの起源は、今からさかのぼること1,000年以上前となる平安時代の中期になります。

 

浄土教の先駆者だった僧侶・空也(くうや)上人は当時、多くの人々に念仏を広めるための思案をしていました。

 

ひょうたんを手に持ち、節に合わせて叩きながら念仏を唱えるという工夫をするなど、手軽に念仏が唱えられるようにと考えました。

 

これがのちの盆踊りのもととなる『念仏踊り』として、広く世の中に知られるようになります。

 

やがて盂蘭盆の行事と結びついて、仏教行事の一つとなっていきました。

 

空也上人が広めた念仏踊りは鎌倉の時代に入ると、一遍上人(いっぺんしょうにん)によって全国に広められることになります。

 

しかしこの頃になると念仏踊りは、仏教行事の意味合いが薄れてしまい、民俗芸能として庶民に定着していきました。

 

人々は華やかな衣装を身に着け、振り付けや道具、音楽などを競うようになっていったといいます。

 

江戸時代の初めには盆踊りは絶頂を極め、7月から10月まで連日連夜踊り明かしていたそうですよ。

 

現代に続く日本三大盆踊りとは

空也上人が手軽に念仏を唱えられるようにと、工夫をこらして広めたのが『念仏踊り』でした。

 

一遍上人は、尊敬する空也上人の『念仏踊り』を参考にして『踊り念仏』をつくり、多くの人に広めていきました。

 

もともとは宗教行事の意味合いが強かったものが徐々に薄れ、やがては民俗芸能として定着していった念仏踊りは今、夏のおわりを告げる盆踊りとして楽しまれるようになりました。

 

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そんな、夏休みのイベントのともなった盆踊りの中でも、最も大きく華やかに開催される『日本三大盆踊り』をご紹介します。

 

・西馬音内盆踊り

・郡上八幡盆踊り

・阿波おどり

 

西馬音内盆踊り

西馬音内盆踊りは700年続く盆踊りで、秋田県で開催されています。

 

開催地/ 秋田県雄勝郡羽後町西馬音内本町通り

開催期間/ 毎年8月16日~18日

 

国指定の重要無形民俗文化財となっている西馬音内盆踊りは、別名『亡者踊り』ともいわれています。

 

踊り手は全員『編み笠』や『黒い彦三頭巾』で顔を隠し、『藍染めの浴衣』や『端縫いの衣装』を身にまとって踊ります。

 

その光景はお囃子と相まって幻想的で、まさに非現実的な世界を醸し出します。

 

郡上八幡盆踊り

https://tabi-mag.jp/

郡上八幡盆踊りは400年以上の歴史ある盆踊りで、岐阜県で開催されています。

 

開催地/ 岐阜県郡上市八幡町内

開催期間/ 毎年8月13日~16日

 

郡上八幡盆踊りは1996年に、国の重要無形民俗文化財に指定されました。

 

20時から始まる『盂蘭盆会』は、明け方の4時まで夜通し踊り続ける、まさに『徹夜おどり』というわけです。

 

そこに居合わせた来訪者も、観光で訪れた地方のお客さんも、みんながひとつとなって踊ることができるのが特徴です。

 

阿波おどり

阿波踊りは言わずとしれた徳島県の盆踊りで、400年の歴史があります。

 

開催地/ 徳島県各地の市町村

開催期間/ 毎年8月12日~15日

 

日本三大盆踊りとしてだけでなく、四国三大祭りの一つも有名です。

 

地域によって色々と変化し受け継がれた盆踊りですが、日本各地で開催されている伝統行事となっています。

 

盆踊りを踊る3つの理由!起源となる平安時代から続く日本三大盆踊りのまとめ

やぐらを囲んで、エンドレスに踊り続けるという楽しいイメージがある盆踊りですが、実は故人やご先祖様の霊を慰め、再びあの世へと送り出すという思いが込められた踊りだったのですね。

 

盆踊りの起源は古く、1,000年以上も前にありました。

 

お念仏を広めるために考え出された『念仏踊り』というものが広まり、そこから今につながっていると思うと、なんだか不思議な感覚です。

 

もとは同じ『念仏踊り』につながっているのに、伝わる地域と長い年月を経て、様々な踊りへと変化していったというのも、不思議ですよね。

 

現在では、恥ずかしがって踊りに参加せずに、ただ眺めているだけという人が多くなりました。

 

阿波おどりの『踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らなにゃ損損』の言葉通り、郡上八幡踊りに参加される人たちは、みなさん楽しそうな笑顔に溢れています。

 

西馬音内盆踊りのように、自分の世界に入り込んで楽しく踊れたらいいですよね。

 

輪の中に入っていくには勇気が必要かもしれませんが、今年の盆踊りは、ご先祖様の霊に想いを馳せ、別れを惜しみながら踊りに参加されてはいかがでしょうか。

 

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