5月の第二日曜日は『母の日』ですね。
アメリカのアンナという女性が大好きだった亡き母を偲び、生前母が愛してやまなかった白いカーネーションを贈ったそうです。
アンナの母親に対する想いに感銘を受けた同協会の生徒とその母親が、翌年『母の日』を祝うために集まり、アンナは集まった全員に白いカーネーションを手渡しました。
このことが『母の日』は起源とされ、カーネーションも母の日のシンボルのようになったのです。
そんな経緯があったなんて知りませんでした。
切り花用を花束にして贈られるカーネーションは、花瓶に活けて定期的に水換えをしてあげれば良いのですが、鉢植えでプレゼントされると、どのように扱って良いのかと頭を悩ませてしまいます。
園芸をあまり経験したことがないけど、子供から贈られたカーネーションを枯らすわけにはいきませんよね。
そこで今回は、鉢植えのカーネーションの上手な育て方をご紹介していきます。
贈られたカーネーションに対して、どのように育てたらいいのか。花が終わった後はどのように対処するのが正しいのか。来年も咲かせるには何を注意すべきなのかなどを、細かく解説していきます。
目 次
カーネーションの育て方!枯れないようにするには?
カーネーションは、『水はけの良い土』と『お日様』が大好きです!そして『蒸れ』を嫌います。
このことは念頭に置いておいてください。
贈られたカーネーションは、とても見栄えが良いようにラッピングされています。そのまま飾っておきたいところですが、先ほど述べた通りカーネーションは蒸れることで枯れてしまうことがよくあります。
早めにラッピングを解いて、蒸れの原因から解放してあげてください。
もし、根元を見て葉っぱが黄色くなって枯れている部分があったら取ってあげましょう。
この時、株元にはゴミを残さないようにしてください。カビが来たり病気になったりする原因になります。
水は株元からたっぷりと、鉢の下から流れ出すまであげます。
頭からジョウロで浴びせるのではなく、株元から優しく与えましょう。
水をあげた後は、受け皿に流れてきた水を残さないように気をつけることがポイントです。
鉢の土を乾かすようにし、触って乾いてきたらたっぷりの水を与えることを繰り返せば、根っこの方に酸素が行き渡ります。
葉っぱに水をあげる場合は霧吹きを使って、日光には絶対に当てないようにしてください。葉っぱに残った水がレンズとなり、高温になってしまいますので気をつけてください。
母の日に合わせてハウス栽培されたカーネーションだと、直射日光に当てると葉焼けをしてしまう恐れがあります。
屋内で直射日光に当たらない明るい場所で、なるべく気温が一定して低めのところに置いてあげてください。
気温が低めだと開花を遅らせることが出来るので、長い期間カーネーションを楽しめますが、間違っても冷蔵庫などには入れないでください。
早く咲かせたくて、高温の場所におくことも良くありません。
カーネーションが死んでしまいますよ。
花が咲いてしばらくすると、色がくすんできますので、そうなったら剪定ばさみなどで丁寧に切って取り除くようにしてください。
注意5月の下旬になってくると気温がどんどんあがってきますよね。そんな気温が高くなっている日中に水をあげると、鉢の中で根が蒸れていたみ、最悪の場合枯れてしまいます。
なるべく早い時間に水をあげるようにしてください。
カーネーションの上手な育て方!挿し芽や挿し木の方法は?
6月になるとカーネーションの花は咲かなくなってきますので、これまで通りに水を与えるだけではいけません。
ここで重要な作業が『切り戻し』と『植え替え』です。
咲終わった花や開くことのない蕾などをそのままにしておくと、貴重な栄養がそちらに取られてしまします。
切り戻しとは、この栄養の無駄遣いを防ぐために、不必要部分を剪定することをいいます。
しかしカーネーションの場合は、これから迎える厳しい夏に蒸れないように風通しをよくするという意味合いの方が強いようです。
切り戻しはをする時は、わき芽やこれから芽吹くのを確認して、これを残すように気をつけて、茎を半分くらいの高さにしましょう。
茎数は増えていきますので、多すぎると感じたら間引くようにしてください。
とにかく、蒸れには注意をして半日陰の涼しい場所に置いて管理し、夏を乗り切ってください。
9月~10月になると植え替えの時期になります。
秋涼しくなったら、株を取り出して根っこに付いている土を軽くもみほぐし、新しい用土に植えてあげてください。
老化した古株は育成が悪く、草姿もみだれやすくなるので挿し芽をして新しい苗を作るようにしてみてください。
主茎から出ている若い茎を切り取り、先端の葉っぱ数枚だけを残して他の葉っぱを全て取り除きます。
切り口を数日水に浸らせ、その後挿し木用の土に挿し半日陰で1ヶ月ほど管理すると発根します。
育苗ポットなどで摘心しながら芽数を増やしていってください。
※摘心(てきしん)とは、茎の先端部分が勢い良く伸びすぎると、そこだけにしか花を咲かせなくなります。主茎を切って側枝を増やしてあげる作業です。
カーネーションの育て方!鉢植えを来年も咲かせるお手入れ
カーネーションはもともと、日本の気候には向いていない植物です。
多年草とはいっても病気になったり株が弱ったりしやすく、何年も育てるのはとても難しいのです。
母の日をピークに、どうしても徐々に弱っていくカーネーションを長持ちさせるには、『蒸れ』というストレスを与えないことに尽きます。
水やりと日光、気温に気を使ってあげてください。
定期的な肥料やりも大切です。
高温期と、植え替えをした時期の3週間程度は、肥料を与えてはいけませんが、緩効性化成肥料の置き肥なら月に1回、液体肥料なら月に3回くらいを目安にして与えてあげましょう。
これを繰り返していれば、次の年もまた花が咲くでしょう。
冬は外に出しっぱなしにしていても冬越えをしますが、寒気が流れ込み冷え込みそう場合は、凍らないように注意してください。
カーネーションの育て方のまとめ
カーネーションは蒸れを苦手とする、とてもデリケートな植物です。
とはいうものの、子供から贈られた花は枯らせたくないですものね。
来年も再来年も綺麗な花を咲かせるために、時期を見誤ることなく『切り戻し』をすること、肥料も定期的に与えること、挿し芽で新しい命をつなぐことに気を配ってあげましょう。