お彼岸の頃に姿を現す曼珠沙華と彼岸花の関係性とは?


9月のお彼岸を迎えると、燃えるような真っ赤な花があちらこちらで姿を現します。彼岸花です。
彼岸花はお彼岸の時期に一週間だけ咲き乱れる花ですので、ちょっぴり不気味に感じる人が多いのではないでしょうか。
日本人にはあまり良く思われていない彼岸花ですが、よく似た花に『曼珠沙華(マンジュシャゲ)』という名前を聞いたことはありませんか?
姿形はとても良く似ていますが、両者はどんな関係にあるのでしょうか。

今回は、彼岸花に似た『曼珠沙華』についてご紹していきます。

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曼珠沙華とは


仏教経典に出てくる『曼珠沙華』とは、正しくはサンスクリット語で『マンジュシャカ』と言い天界に咲いている花の名前です。『美しい薬草』『快い花』などの意味を持ち純白でとても柔らかいというのが特徴です。

このマンジュシャカはおめでたい事が起きる前触れで、赤い花を天上界の神々が天から降らします。それを目にした者は悪行から離れると言われています。

マンジュシャカは空想的な花ですので、実在することはありません。要するに、彼岸花を天界の花の名前を借りて『曼珠沙華』と呼んでいるだけなのです。
彼岸花のことを曼珠沙華と呼ぶようになった経緯や理由などは不明とされていますが、お彼岸の頃に咲く花なので、昔の人がそのように呼んでいただけなのかもしれませんね。

同じ花なのに、彼岸花と曼珠沙華では意味合いや印象がガラリと変わってきます。

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曼珠沙華の鱗茎(球根)

曼珠沙華は実を結ぶことはありません。鱗茎(球根)が分かれて増えていきます。
一つの鱗茎を植えて32年後に掘り起こしてみると1000個以上に成長していたという記録が残されています。株の直径も50センチにまでなっていたそうです。
増えていくスピード1年に1センチとゆっくりではありますが、実際は確実に増えているのです。

曼珠沙華の毒

曼珠沙華は有毒というのは有名な話ですが、鱗茎の部分は特に毒が強いそうです。一つの鱗茎で、約1500匹のネズミを死に至らしめる程の力を持っています。

人間が誤って口にしようものなら、吐き気と下痢に襲われ、悪ければ中枢神経がマヒを起こし死に至ります。

しかし悪いことばかりではありません。曼珠沙華の毒は『薬』にもなるのです。

精製された鱗茎は、『セキサン』や『彼岸花根』という名前で漢方薬として利用されることがあります。
消炎作用や利尿作用があり、茎を刻んで搾取した汁を患部に流すと良いとされていたり、根をすりつぶしたものを患部に張り付けたりすると浮腫みやあかぎれや関節痛を改善する効果が期待されています。

最近では曼珠沙華のガランタミンが記憶機能を回復させるとして、アルツハイマー病の薬に利用されるようになりました。

曼珠沙華のまとめ


曼珠沙華の正体は天界に咲くと言われるマンジュシャカの名前を借りた『彼岸花』ということがわかりました。
お彼岸の時期の一週間だけ姿を現す彼岸花は、その姿形や時期から忌み嫌われることが多い植物ですが、別名の『曼珠沙華』のほうでは、おめでたい事が起きる兆しとして、とても愛されているようです。
昔から私たちのそばで生活に恩恵を齎してくれていた曼珠沙華。有毒という怖いイメージだけでなく、少し見方を変えるだけで良い面があると気付かされます。
今年のお彼岸はあぜ道などに咲く曼珠沙華を愛でたみてはいかがですか?

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