案内人さん。
仕事帰りで、お通夜に参列するときの最低限のマナーって、あるの?
どんなことに気をつけたらいい?
お通夜はもともと、遺族や親族のみで行うものだったんだけど。
告別式に参列できなくなった一般人が、お通夜に参列するようになったんだよね。
だからこそ、仕事帰りの参列は、注意が必要だよ・・・。
訃報とは、とつぜん舞い込んでくるものです。
職場に着いてから本日お通夜をおこなうという連絡がくると、
- 喪服がない
- お香典もない
- お数珠もない
なにも準備してないことに気づき、途方に暮れてしまいますよね。
- 「どうしよう。今日は普通のスーツで出勤してしまった」
- 「一度家に帰る時間はなさそうだし」
- 「しまった。お香典やお数珠もなんにもない」
一度帰宅できるのであれば、喪服にきがえたりお香典の準備もできたりと身支度ができるのですが。
んーーーー。
やっぱり喪服じゃないと、参列はできないのね。
ううん。喪服じゃなくても参列できるよ。
お通夜の場合、『突然の訃報に急いでかけつけました』という意味が含まれるので、平服(へいふく)でも失礼にはあたりません。
少し前の時代まで、お通夜に喪服で参列するのは「亡くなるのを待っていました」といわんばかりで、逆に失礼(マナー違反)とされていたくらいですから。
今回は、しごと帰りに参列する通夜式にふさわしい平服を、女性・男性と分けてご紹介します。
深い悲しみの底にいるご遺族の前で、キラキラとした華やかさは絶対現金だよ
お香典やお数珠のことにもふれていきますね。
目 次
通夜の服装で仕事帰りでも失礼にあたらないようにするには
事前にお通夜に参列することがわかっていれば、喪服を持参して出勤すればいいのですから何の問題もありません。
しかし、どうしても喪服で参列することが不可能な場合がでてきますよね。
それは、会社に出勤したあとにうける訃報です。
でも安心してください。
「服をきがえる間もなく駆けつけました」という心が大切なので、通勤した服装で参列しても問題はありません。
案内人メモ
通勤で着用している服装・・・とはいっても、ジーンズとか丁シャツとかスニーカーとか、めちゃくちゃカジュアルな服装はNGだよ。
冒頭で『平服でも失礼にはあたらない』といったけど、それ、普段着という意味じゃないから気をつけて。
平服は、『本当なら礼服で出席するんだけど、そこまでかしこまらなくてもいいよ』というのが本当の意味です。
女性の場合、男性の場合の、それぞれの注意すべき点を下記にまとめました。
通夜の服装で仕事帰りでも失礼にあたらない 女性編
女性の平服の、最低限のマナーをおしえて?
女性は男性にくらべると、普段の身なりが洗礼されていますが、こまかい注意点があります。
急なお通夜に参列するために、おさえておきたいポイントは以下の6つです。
- 服装 スーツ・ワンピースでも可
- 服のいろ 紺・茶・黒
- ストッキング 黒
- 化粧 控えめに
- ヘアースタイル 束ねる
- アクセサリー はずす
服装
急な不幸ですので、スーツでもワンピースでも問題はありません。
スーツは、もちろんパンツスーツスタイルでも大丈夫ですし、白色のブラウスもOKです。
しかし、肌を露出するスタイルは好ましくありません。
- 胸元はとじる
- ひじが隠れるようにする
- 正座をしたときにひざが隠れる丈のスカート
ファッションを優先するのではなく、亡くなった方とご遺族の気持ちを優先するようにしましょう。
服のいろ
黒色が好ましいのですが、紺色や茶色といった目立たず地味な色合いでまとめましょう。
ストッキング
スカートの場合は、黒のストッキングを身につけるようにしましょう。
ベージュのストッキングでも問題ないとされていますが、肌の露出を避けるという点からも、黒のストッキングに履きかえるのがマナーです。
タイツはカジュアルな印象を与えてしまうので、平服としてはNGです。
60デニールくらいまでなら問題なさそうですが、基本的には黒のストッキングに履きかえておいたほうが無難です。
化粧
メイクは控えめにメイク直しをしましょう。
お通夜に参列するのに華やかでおしゃれなメイクは必要ありません。
とくに口紅は塗らないとうのが常識となっていますので、赤色など血液を連想させる色はご法度と心得ましょう。
口紅をつける場合は、なるべく派手さを控えたヌーディカラーやブラウン系におさえましょう。
グロスやラメはNGです。
カラーコンタクトレンズは、近眼用でもはずすのがベターです。
つけまつげなどデカ目効果のあるメイクはお通夜にそぐわないので、社会人として常識あるナチュラル薄付きメイクに直しましょう。
ヘアースタイル
ロングヘアーはシニオンヘアーにするなど、ゴムやクリップなどでスッキリまとめておきましょう。
前髪は、目にかからない長さだったら問題ありませんが、それよりも長いようなら、後ろや左右に流しピンで留めましょう。
アクセサリー
基本的に、結婚指輪以外のアクセサリーはNGだと覚えておけば問題ありません。
もしも身につけるのであれば、どんなに急いでいてもパールが基本です。
しかし「絶対にパールを身につけましょう」という意味ではなく、あくまで「つけるならパールならセーフです」という意味です。
ピアス・イヤリング・ネックレスなどのアクセサリー類と腕時計は、すべてはずしましょう。
香水をつけている場合は、ウェットティッシュなどでふきとります。
たしかに。
華やかにキラキラしていたら「こんなに悲しい状況で、なんで楽しそうにしていられるの?」って、反感をかいそうね。
とにかく、『お通夜というイベント』に参加する感覚ではなく、ちゃんと『弔問に訪れる』という意識をもちましょうね。
ご遺族は大切な人を失って、失意のどん底にいます。
悲しみのあまり、気が立っているかもしれません。
ご遺族やご親族の気持ちを逆なでするようなことは、絶対に避けなければならないのです。
通夜の服装で仕事帰りでも失礼にあたらない 男性編
つづいて、男性の平服の解説ね。
男性は基本スーツで通勤していますし、女性のようにメイクをしているわけではありません。
しかし平服となると、下記の5つのポイントは最低でもおえておく必要があります。
- 服装 スーツ
- 服のいろ 紺・茶・グレー
- ネクタイ 黒
- アクセサリー はずす
- ベルト 黒
服装
スーツは、ビジネススーツで光沢がないものであれば大丈夫です。
ジャケットのボタンは、シングルでもダブルでも、どちらでもかまいません。
ワイシャツは白色がベストですが、急な不幸ですので派手でなければ多少色や柄が入っているシャツでも問題ありません。
服のいろ
黒色が好ましいのですが、紺色や茶色やグレーなど、落ち着いたダーク系の色合いであればOKです。
ネクタイ
どんなに急でも、派手なネクタイは故人や遺族にとって失礼に当たりますのでNGです。
コンビニや近くの売店などで黒無地の光沢のないネクタイを購入し、しめ直すようにしましょう。
ノーネクタイはカジュアルになりすぎるので、平服としてはNGです。
必ず黒色ネクタイを着用しましょう。
くぼみを入れないのがポイントです。
アクセサリー
基本的に結婚指輪以外のアクセサリー類は、すべてはずします。
ネクタイピンやカフスボタンも、はずしておきましょう。
腕時計はデザインがシンプルなものであればはずさなくても大丈夫ですが、豪華だったりキラキラした装飾がほどこされたりする腕時計はNGです。
ベルト
見落としがちですが、男性はベルトにも気を使わなければなりません。
色はもちろん黒色です。
バックルなど、ライトの光線をうけて反射させるようなものはNGです。
また黒色でも、ベルト自体がくたびれたものだったり、革製品のものだったりするのは失礼にあたります。
平服の基本は、女性も男性もほとんど同じなのね。
派手さをおさえて「わたしもご遺族と同じように、悲しい状態にあります」という姿勢を見せているといいね。
お通夜にご法度なもの
- 派手
- キラキラ
- カジュアル
通夜に参列する際の仕事帰りの香典と数珠マナー
お香典
お香典は、香典袋をコンビニなどで購入し、5,000円をつつむようにします。
おつきあいが深いあいだがらであれば10,000円を包むということもありますが、基本的には5,000円を包んでおけば間違いありません。
新札しか持ち合わせがない場合は、お札をふたつ折りにして折り目をつけてから包むようにしましょう。
新札は『亡くなることを予定して準備していました』みたいに思われ、ご遺族を不愉快な気持ちにさせてしまいます。
おつつみした香典袋はふくさに入れるのが常識ですが、急な訃報には白いハンカチで代用しましょう。
お通夜の受付で記帳する際、白いハンカチを開いて香典袋を渡すようにしてください。
香典袋を、カバンやポケットからそのまま取りだすのはマナー違反です。
なにも言われないけど、「常識がない人ね」って思われますよ。
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お数珠・お念珠
仏式の場合ではあったほうが良いお数珠・お念珠ですが、持っていなくても目立つことはありませんので、気にする必要はないでしょう。
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その他に注意すること
コートやカバンなどは、派手でなければ大丈夫です。
傘は会場にはいる前に閉じるので、黒でなくても問題ありません。
お通夜式の式場内は空調が適切に管理されているとは思いますが、万が一暑くても、厳粛な式典の最中は上着を着用するようにしてください。
式中に上着なしというのは、日本社会ではなじみがないからです。
通夜参列の服装は?仕事帰りの女性・男性の私服対応と香典のマナーのまとめ
『平服=普段着』だと思っていたけど、ちゃんとかしこまらないと不快な思いをさせてしまうのね。
盲点だったわ・・・。
『突然の訃報に、服を着替えることなく急いでかけつけました』とはいっても、最低限のマナーは必要です。
ご遺族は、職場から直接駆けつけるというパターンも承知していますので、話しかける際「急な訃報だったので、このような服装で申し訳ありません」と一言添えれば納得してもらえます。
でも、もし通勤した服装が、平服とはほど遠い装いであればお通夜に参列するのを断念したほうがよさそうです。
参列できない場合は、訃報を知らせてくださったご遺族に「参列できない」旨の連絡を入れるようにしましょう。
時間が遅くなればなるほど、ご遺族は式典の準備などで忙しくなります。
早めに連絡を入れるようにしてください。
もう一つの選択肢として、読経を終えたあとの時間帯に訪れるというのもあります。
通夜式自体は約30分で終了しますので、1時間ほど遅らせれば弔問客も散会して、ご遺族だけで過ごされている時間になります。
お焼香は終わっていますが、お線香をあげることはできます。
故人様の思い出話が、ご遺族のかたとできるかもしれませんよ。