竹に細工を施した竹灯篭で、うっとりするような光のアートが各地で開催されていますが、それがここ、福岡県は糸島市でも行われています。
ご存知だったでしょうか。
竹の内側から満たされた光は、見る人の心に入り込んで嫌なことも忘れさせてくれる、柔らかくもあたたかい気持ちにさせてくれます。
竹は生命力溢れる植物ということもあって、人の心を元気にしてくれる不思議な力があるように思えてなりませんね。
そこで今回は、2018年で第4回目を数える『糸島竹取物語~想いをつむぐ竹あかり~』をご紹介していきます。
美しい竹灯篭の光の裏側には、実は深刻な問題が隠されていました。
糸島市の人が抱く想いを、今年も幻想的な竹灯篭の光に乗せて夜の公園を照らします。
目 次
第4回糸島竹取物語を開催!まつりの詳細
イベント名/ 第4回糸島竹取物語~想いをつむぐ竹あかり~
イベント開催日/ 2018年7月13日(金)~7月15日(日)
イベント開催時間/ 18:00~22:00
(点灯式/ 2018年7月13日(金) 20時より)
イベント入場料/ 無料
イベント会場/ 丸田池公園
住 所/ 819-1116 福岡県糸島市前原中央2丁目
交通アクセス/ JR筑前前原駅下車 徒歩3分
駐 車 場/ なし
主 催 者/ 一般社団法人 糸島青年会議所
問い合わせ番号/ 092-323-2846(糸島青年会議所)・070-5536-2631(松吉さん)
※天候によっては中止なる可能性あり
糸島竹取物語から考える深刻な放置竹林問題!
放置竹林問題は全国で深刻化しているのをご存知ですか?
昔は竹の需要が多く、すだれ・カゴ・センスなどの生活用品や、土壁の補強材・茶道の道具・楽器などとして広く使われていました。
また、たけのこは食料としても需要があり、美味しく頂いていますよね。
こうして竹を利用することで自然と竹林の手入れがなされていました、昔はね。
時代の流れで、諸外国から安価な竹やたけのこを輸入し始めると、国内の竹需要がグンと減り、ほぼほぼ放置状態となっていきます。
日本に、こんなにたくさんの竹があるのに。
手入れが行き届いていた頃の竹林は『防災機能』も果たしていたのですが、需要激減のため放置されることで、逆に牙をむいて襲いかかってきました。
土砂災害の誘発です。
竹の根っこは普通の木よりも浅く広くにしか伸びず、地中の僅か30~40cm付近にしか根付いていません。
これをひげ根というのですが、放置され続けることでひげ根が徐々になくなっていきます。
根が這っていない上に竹林の地面は乾燥しているので、そこを集中豪雨などが襲ってくると一気に水で地盤が満たされ、地すべりを起こします。
結果、土砂災害を引き起こすようになりました。
放置竹林問題は、それだけではありません。
付近の森林をも簡単に覆ってしまい、樹木の成長を邪魔することにもつながります。
畑などからひょっこり竹が生えてきたらそこはもう、竹の根っこで汚染されており、畑としては機能しなくなってしまいます。
その畑は、2~3年で立派な竹林と化してしまうでしょう。
安価な竹の輸入が行われることで、これまで成り立っていた竹との関係性が崩れ、様々な面で被害を遭うことになっていきました。
これが、放置竹林問題です。
糸島竹取物語開催!光のアートで発信!
こうした放置竹林問題を多くの人に知ってもらえるようにと始めたのが、竹灯篭のイベント『糸島竹取物語』でした。
2015年に始めたイベントを皮切りに糸島市では、地域の子供から大人までが協力し合って取り組んでいます。
今年で、もう4回目の開催となります。
竹灯篭に使うは、もちろん竹林整備で伐採した竹!
イベント仕様として、大小様々な長さに整えたり、竹筒の中を青・赤・黄色など色鮮やかな色を塗りつけたり、細工を施したり。
4回目ともなれば、竹の加工ももう慣れたものですね。
そうして準備される竹灯篭の数は約10,000個にも及び、会場となる丸田池公園が幻想的で暖かな光の炎に包まれます。
一口に10,000個といっても、大人の身長を有に越した高さの竹も多く並びますので、見応えは満点。
ゆらゆら揺らめくロウソクの炎が、なんとも幻想的で、時の経つのを忘れてしまいそうになりますよね。
糸島竹取物語イベント当日は、糸島市内の保育園や幼稚園に通う、可愛い天使たちの短冊をあしらった笹飾りもお目見え!!ライトアップされます。
来場者も竹紙の短冊に願い事を書くコーナーや竹灯篭に絵付けをするコーナーがあったり、
毎年好評のクイズラリーも今年も健在だったりと、恋人同士でも親子でも楽しめるイベントが盛りだくさん。
飲食ブースも設置されるので、お腹も満たしながら、夜の公園を彩る竹灯篭の世界に浸るというもの、乙なものですよ。
是非とも、足を運んでみてください!
糸島竹取物語2018開催!深刻な放置竹林問題を光のアートで発信!のまとめ
『放置竹林問題』今まで考えたこともありませんでしたし、深刻な問題になっていることすら知りませんでした。
都会に住んでいると、そうやって自然と向き合う人たちが、何に問題視しているのかなんて全く見えなくなってしまいます。
実は2018年3月に全国放映された映画『糸』でも描かれていたんですね。
糸島の夜を、竹のイルミネーションが華やかに彩ります。
この一つ一つの炎の向こう側に、糸島の人が問題解決のために奮闘しているのだと、思いを馳せてみませんか?
●『灯明まつり2018開催!福岡市有田の室見川に光の花よ!咲き誇れ!』も併せてお読みください!