台風が接近してきた時に一番困ることと言えば、通勤や通学ではないでしょうか。
特に日頃から自転車を利用している人にとっては、頭が痛い問題ですよね。
学生さんだったら、もしかたら休校になるかもしれませんが、社会人となると、会社が台風の影響で休業するとはありえません。
だいたいどこの会社も、台風程度では休むことはしないですもんね。
電車やバスといった公共交通機関で通勤している人の場合は、運行中止のため通勤困難という理由で休むことができるかもしれませんが、マイカーや徒歩、自転車通勤の人は常が自力で出勤しているわけですから、通勤が困難とは簡単には認めれません。
そうなると、会社が営業している限りは出社せざるを得なくなり、自転車に乗らなければならなくなります。
会社って『鬼』ですよね。
そこで今回は、台風時に自転車に乗っても大丈夫なのか、危険はいかほどなのか、風速別でどんな体感をするのか、についてまとめました。
注意
台風時の自転車走行を容認するものではなく、あくまで最低限の危険を肝に銘じて欲しいという注意喚起を記事にしたものです。
目 次
台風でも自転車通勤したい・・・?
まず実際に、台風の中を自転車で走ったことのある人はこのように言っています。
「自分は大丈夫だと思っていないと、台風の時に自転車なんか乗らない」
「移動手段が自転車しかないから仕方なく乗っている」
「家を出て、追い風の時はペダルを漕がなくてもスイスイ進むから意外とイケると思ったが、一つ角を曲がると横からの強風に転倒。しかもそのまま吹き飛ばされガードレールに激突し、肋骨が折れたと思った」
自分は大丈夫という過信が事故に繋がり兼ねないので、万が一を想定して行動しなければなりません。
世の中には『絶対に大丈夫』は絶対にありませんよ。
しかし、好き好んで強風雨が吹き荒れる中、危険を冒してまで出勤したいとは誰も思っていませんよね。
そうなんです。
台風の時くらい、本当なら会社を休んで自宅でのんびり過ごすのが理想的なのですが、そうはせず、無理をしてでも出勤するのには、日本独特の『空気を読む』ことが影響していると思われます。
「みんな休みたいと思っているのに、私だけ『休みたいです』なんて言えないよね」なんて。
そんな彼等は出勤することを余儀なくされ、仕方なく最終的な移動手段として自転車を、選ばざるを得ない状況となっているのです。
台風でも普通に出勤するのが当たり前というトンチンカンな人は、天候を理由に休んではいけないと勘違いしている節があります。
命があるから働くことができるのに、その大切な命を危険に晒してまで出勤する必要はありません。
こんな時にこそ『有給休暇』を有効活用しましょう。
誰になんと言われても『有給休暇』を取得している以上、休みたいと思った時に有給を使って休む権利はありますよ。
潔く休むと会社に申請するのも賢い判断だと思います。
そもそも危険が生じるような悪天候なら、臨時休業してでも従業員を守るというのが正しい危機管理ではないでしょうか。
台風を始め、地震・大雪でも通常通りの仕事をさせようとする日本の統治システムに、狂気を覚えてしまうのは私だけではないはずです。
何はともあれ、窓の外が驚くほど荒れていたら、出勤前に会社の状況確認連絡を入れてみてください。
業種によっては警報がでたら自宅待機などを社内で決めている場合があります。
続いては、台風時の自転車走行が、どれくらい危険なのかを紹介します。
台風で自転車はこんなに危険!
台風の威力って、思っている以上に凄まじいもので、絶対に軽く見たり侮ったりしてはいけません。信じられないものを含め、本当に色々なものが飛んできます。
報道番組で良く見かける映像の、街路樹がなぎ倒され車の進路を塞ぐといった光景を始め、トタン屋根や立て看板、屋根瓦も平気で飛んできます。
自動車やダンプカーだって簡単に転がすことができるんですから!
さすがに傘さし運転はしないにして、セパレートタイプのレインコートを着用して自転車に乗ろうとも、強風に煽られるわ、雨で視界が悪いわ、バランス取るのに両手は塞がれるわで、いざ、危険がやってきても防御のしようがありません。
転倒して自分が怪我をするだけならまだしも、看板の落下、屋根瓦などが飛んでくるなどであなたが重症になった場合、その会社や持主さんが責任を追わせられる可能性がありますので、他人にも迷惑をかけることになるのです。
自転車はどれくらいの強風だと危険?
逆に自転車を快適に走行させるには、どれくらいの風速が理想だと思いますか?
快適に感じるのは風速0~3m/sです。
これ以上の風速だと大小問わず、難儀することになるでしょう。
それでは風速を細かく区切って、どれくらいの風速がどんな状況にあるのかを紹介していきます。
●0-1m/s
身体には風の抵抗を感じず、自転車のペダリングが非常にスムーズです。
空気抵抗は、前に進むだけなので快適に自転車走行が出来るのです。
自転車自体の性能を最大限に発揮することができ、風に邪魔をされることがありません。
●2-3m/s(軽風)
ロードバイクで走行するには風の影響を感じることは、まずありません。
一般的な自転車でも、そよそよとした風の流れを感じる程度ですので、走行に支障をきたすことはありません。
身体に感じる空気抵抗などのダメージもほとんどありません。
木の葉が揺れ、海面でははっきりとしたさざなみが立ちつ程度です。
●4-6m/s(軟風)
向かい風だとしんどいと感じます。
空気抵抗を感じるので自転車を漕ぐペダルが重く、前傾姿勢でチカラを入れてペダルを踏まなければ前に進まないと感じます。
木の葉・小枝が揺れ、海面では波頭が砕けて白波が現れます。
●7m/s(和風)
はっきりとした強風だと認識出来ます。
砂埃がたち、小さなゴミや木の葉が宙に舞い上げられます。
●8m/s
建物の中にいても強風が吹いていることがわかります。
自転車で走行しようにも全然前に進むことはなく、おそらく転倒します。
風の吹き荒れる音が聞こえ恐怖すら感じるでしょう。
風速2桁以上
●10m/s 歩行が困難となり、強風注意報が発令されます。
●15m/s 外出は控えるのがよいレベルです。
●20m/s 暴風警報が発令されます。
※最大風速17.2m/sをこえると台風になります。(時速:62km)
●25m/s 屋根瓦が飛び、樹木や煙突が根本から倒れます。
この風速を時速にすると90kmとなります。外出は一切してはいけないレベル。
●30m/s 雨戸が飛び、電柱や古い家屋が倒壊します。
※最大風速32.7m/sで強い台風となります。(時速:118km)
※最大風速43.8m/sで非常に強い台風となります。(時速:158km)
※最大風速54.1m/sで猛烈な台風となります。(時速:195km)
わかりますか?
台風の中を自転車で走行する行為は、高速道路を丸腰で横断するのと同じくらい危険なのです。
いえ、時速118kmのスピードは高速道路でも違反レベルなので、そう考えるとどれだけ危険なのかがわかるのではないでしょうか。
ものが飛んでくる速さも、プロ野球選手が投げる剛速球クラスです。そんなものをまともに受けて正常でいられるほど、人間強く出来ていませんよね。
台風でも自転車通勤したい!どれくらい危険なの?風速べつ強風紹介のまとめ
台風の吹き荒れる強風を時速に変換すると、自転車に乗っては行けないとこうことが良く分かります。
「そんなことわかってる!どうしても出勤しなきゃいけないんだ!」
そんな風におっしゃる人を止める権利はありませんので、自己責任でどうぞとしか言えません。
どんなに「危ないよ。やめたほうがいいよ」とアドバイスされても、頭の中で「頑張ればいけるんやないかいな」と思っている人って、他人の意見に耳を傾けませんから。
それでも命は一つしかありませんので、無理をすることなく、極力安全走行を務めてください!