お中元やお歳暮をいただいた場合、お返しってどのようにするのが一番よいのでしょうか?
「頂いたお品と同じくらいのお返しをしなければならないの?」
「それとも電話だけで『ありがとう』で済ませてもいいの?」
「口下手だから、手紙でもいいかしら?」
「けど、それだと『お返しがない』って相手の怒りをかうかしら?」
「やっぱりお返しはするべきかしら?」
なんて・・・、お返しのことで頭をゴシャゴシャ悩ませてしまうものです。
お中元やお歳暮は贈ってくださった方からの、あなたへの『日頃の感謝の気持ち』を形にして表したものなんですよね。
ですので、お中元でもお歳暮でも、いただいからといってこちらからも絶対にお返しをしなければならいということはありません。
むしろ、このように表現したほうが白黒はっきりするかもしれませんね。
『お中元・お歳暮をいただいたとしても、お返しをする必要はないのです』
でも、もらいっぱなしというのもマナー違反です。
お返しをする必要はありませんが、お礼状が必要です。
そこで今回は、お中元・お歳暮を頂いたお返しの対応についてご紹介いたします。
目 次
お中元やお歳暮をいただいてもお返しは不要です!
冒頭でもお伝えした通り、お中元やお歳暮をいただいたからと言って、必ずお返しをしなければならないとうことはありません。
日本人というのは贈り物をされると、どうしてもお返しをしなければならないという衝動にかられてしまいがちです。
思い返してみれば、
出産祝には、内祝いを
葬式では、香典返しを
このように、贈り物などをいただいた場合、速やかにお返しをするのがマナーとされています。
だからついつい、お中元やお歳暮に対しても、「お返しをしなければならない」と思い込んでしまうのです。
日本人の悪いクセです。
繰り返しになりますが、お中元やお歳暮をいただいても、お返しをする必要はありませんよ。
お中元やお歳暮をいただいてもお返しが不要な理由
お中元やお歳暮にはお返しが不要だといわれても、明確な理由がわからないと『なんで?』『どうして?』と、納得できないですよね。
お中元やお歳暮をいただいてもお返しが不要な理由・・・それは、贈り物に込められているのが感謝の気持ちであって、『お祝い』ではないからです。
更につけくわえるとお中元・お歳暮というのは、目下の人が目上の人に対して、日頃の感謝の気持ちを伝えるための贈り物だからです。
『目下の人から、目上の人へ』というのがお味噌です!
たとえば、こんなシチュエーションを想像してみてください。
いつもご贔屓にしてくださるから、うちの店が成り立っています「ありがとう」
熱心に踊りのお稽古をつけてくださる師匠に「ありがとう」
ね?
「ありがとう」を伝える対象は、上司だったり、取引先だったり、お稽古の先生だったり・・・ですよね。
すべて、目上の人に対して感謝する形になっています。
これが逆となると、目上の人から目下の人に「ありがとう」って、ちょっとおかしな構図となってしまいますよね。
もし、上司や取引先の人などが目下の人に対して「ありがとう」という言葉を口にするなら、それは『感謝』ではなく『労い』となるでしょう。
「おめでとう」をもらったら「ありがとう」でお返しをしますが、「ありがとう」をもらって「ありがとう」をお返しするのは・・・変ですよね。
なので、感謝の気持ちを形にしたお中元やお歳暮にたいして、お返しは不要なのです。
お中元やお歳暮にお返しをする場合
どうしても形にしてお品をお返ししたいということであれば、お中元・お歳暮を受け取ってから、少し時間を空ける方が良いです。
少し時間をあけることでお中元・お歳暮の時期が過ぎますので、表書きには注意をしましょう。
・お歳暮のお返しでは『寒中見舞い』、目上の人へは『寒中御伺』
お返しの形をとるというよりは、あくまでも「暑さ・寒さの中、いかがお過ごしでしょうか」という、相手を気遣う気持ちを贈るようにします。
お返しの相場にも注意しましょう。
お返しは、頂いた品物の半額程度のお品にとどめるのがマナーです。
これは半返しという考え方で、お祝い事にもあてはまりますよね。
いただいたものよりもやや安めをお返しする方が、相手に負担に思わせずに受け取ってもらいやすくなります。
いただいた品物よりも高額のものをお返しすると「次からは贈って頂かなくて結構です」という意味を含ませる可能性があります。
相手によっては気分を害されることもありますので、十分に気を配ってお返しのお品を選ぶようにしましょう。
また、お品だけを贈るのではなく、一緒にお礼状を添えると常識のある人だと思われ印象がよくなりますよ。
お中元・お歳暮のお返しは不要だがお礼状は必須!
お中元やお歳暮をもらってもお返しをする必要はありませんが、お礼の気持ちを表す必要があります。
一般的にはお中元やお歳暮が届いたら、間を置かずにすぐにお礼を伝えます。
お手紙でも電話でも構いませんが、必ずお礼を伝えるようにして、貰いっぱなしにしないのが最低限のマナーです。
お礼を伝えるか伝えないかで、相手への印象がまったく変わってくるだけでなく、『無事に届きましたよ』という合図の役割も果たしているのです。
口頭でのお礼の言葉
「この度ご丁重なお中元のお品をお贈り頂き、誠にありがとうございました」
「この度は結構な品をご恵贈賜りありがとうございました」
「この度は結構な品をお贈り頂きまして、ありがとうございました」
「この度はお中元のお品をお贈り下さいまして、厚く御礼申し上げます」
「この度は丁寧なお心遣いを頂き、誠にありがとうございました」
書面でのお礼のご挨拶
拝啓 暑さ厳しき折、〇〇様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
お陰様で私たちは皆、元気に過ごしております。
さて、先日より丁寧なお心遣いを頂き、誠にありがとうございました。
いつもながらのご芳情に厚く御礼申し上げます。
暑さはまだ続くようですが、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
略儀ながら書面にてお礼申し上げます。ありがとうございました。
敬具
令和○○年○月○日
氏名
お中元・お歳暮のお礼状はメールでもOK?
お礼状はメールで送っても問題はありません。
インターネットが普及している時代に、メールという便利な機能を使わない手はありませんよね。
しかし、そのお手軽感から、メールのみでお礼を言われることを不愉快に感じる人がいるのも事実です。
それは厳格なご年配だけでなく、40代50代でも同じように感じる人がいるようです。
お中元やお歳暮のお礼はメールでも問題ありませんが、取り急ぎのお礼にとどめ、改めてお礼状を出されることをおすすめします。
お中元・お歳暮のお返しは不要だがお礼状は必須!メールでもOK?のまとめ
お中元・お歳暮のお返しは義務ではありません。
なぜなら、日頃の感謝の気持ちである「ありがとう」は、お祝いの「ありがとう」とは異なるからです。
「ありがとう」に対して、「ありがとう」とお返しをするのは変ですよね。
しかし、贈り主の好意を受け取りっぱなしにせず『お気遣いいただきありがとうございます』という気持ちを、お礼状で伝えることが大切です。
贈り主としてはお礼を言われたいわけではないという人もいますが、お礼の言葉が『お品が無事に到着しました』という合図になるので、必ずお礼の言葉は伝えましょう。
お礼はメールでも可能ですが、なかにはメールだけでは不愉快に感じる人もいることを心得て、後日改めてお礼状を送るようにするとスマートで印象がいいですよ。
お互いを気遣う心のこもった対応で、相手に喜ばれるお中元・お歳暮行事にしたいですね。