シトシトと降る雨が続く梅雨の時期が過ぎれば、ギラギラした夏がやってきます。
夏といえば海でサーフィンしたり、白い砂浜ではビーチバレーしたりと楽しいことが盛りだくさんですよね!
でもその一方で、憎いあいつもやってきます。
台風です。
毎年7月~9月くらいまで多くの台風が日本に押し寄せてきますよね。
超スピードで日本列島を駆け抜けていくのもあれば、速度がめちゃくちゃ遅くて一日中吹き荒れる日もあります。
複数の台風が同時にやってきたり、通り過ぎたと思ったらUターンしてくる不規則な動きをしたりするやつもいて、なかなかの迷惑っぷりを発揮してくれますよね。
年々パワーを増して大きな被害をもたらす台風ですが、なぜいつも夏から秋にかけてしか来ないのでしょうか?
夏の風物詩として疑いもしませんでしたが、冬に台風が発生することはないのでしょうか?
そこで今回は、冬の時期に台風は発生するのかしないのかについてや、発生するなら夏と同様の上陸したり接近して来たりしないのか、また過去にそのような事例があるのかについてまとめました。
目 次
台風が冬に発生することはないの?
日本の台風の特徴として7月~9月を集中に、日本列島に接近・上陸しますよね。
だからといって、冬に台風が発生しないというわけではありません。
そもそも台風のもととなる熱帯低気圧は、海水温が27℃の熱帯の海で発生しています。
熱帯低気圧から台風に発達するには、海水から水分が上昇し雲に吸収されて上空で冷やされて下降し、また温められて上昇するという運動が活発に行われる必要があります。
しかし熱帯地方といえども冬になると、若干海水温が低めになるので台風の発生数はかなり少なくなるというわけです。
12月の台風の発生率は低くなりますが、発生しないということはありませんし、決して珍しいことでもないのです。
冬に発生する台風を『異常気象ではないか』と心配される人が多く存在しますが、異常気象とは30年に1度くらいの珍しい現象と定義されていますので、冬の台風は異常気象に当てはまることはありません。
その点はご安心ください。
台風そのものは一年を通して発生しますが、赤道近くの海水温度が低い上に太陽の光も弱いため、台風になるような雲が出来ても発達して台風になりにくいのです。
台風かどうかは中心気圧の低さで決まるのではなく、中心付近の最大風速が17.2m/s以上であることが条件で決定します。
中心気圧が比較的高くても台風自体が小さかったりすると、等圧線が混んで風速が早くなり、台風になることがあります。
統計上最も遅く発生したのが2000年の台風で、12月30日でした。
この台風は勢力を保ったまま2001年1月まで衰えなかったと、記録されています。
台風が冬の日本に接近する恐れはない?
台風は熱帯低気圧が発達したものです。
低気圧は高気圧から吹き出す風に動かされて、高気圧の縁に沿って回り込むように進み、更に貿易風や偏西風という、地球規模の上空に吹く風の影響を受けています。
日本列島の真夏は太平洋高気圧にすっぽり覆われている事が多いので、台風が近付こうとしても西側へ逸れてしまうことが多いです。
8月~9月頃になると高気圧の勢力が衰えるので、台風の通路が出来ます。
この時期に台風が接近することが多くなるため、そのまま日本列島に上陸することも多くなるのです。
秋が深くなると太平洋高気圧は更に衰えて台風の進路は東に逸れていきます。
そして、晩秋から冬になると日本列島はシベリア高気圧に覆われることになり、加えて日本付近の海水温が低くなるため台風が接近してくることがなくなるのです。
また、発生したとしても北半球の偏西風帯が南下しており、台風は日本列島のはるか南で東へ進むので日本列島に近づいてくることが少ないのです。
1951年以降の統計上、12月に接近した台風の数は小さいながらも6個を記録していますので、今後も初冬の日本に台風が近づいてくることは有り得そうです。
1月と2月の接近は今のところありません。
台風が冬の日本に上陸する可能性は?
これまでの記録に、12月~2月の間に台風が日本に上陸したことはありません。
寒いと言われている時期に台風が来ることは、かなり深刻な温暖化が進んでいることになるので現実問題として、我が国に台風上陸はあり得ない状況です。
冬に台風が上陸したら
1990年11月30日に和歌山県白浜町に、台風が上陸したことがありました。
上陸した翌日の12月1日は、関東や東北各地で気温が20℃を超え、12月の最高気温を記録しましたよね。
これは、台風が南の暖かい空気を持ってきたことが要因となっています。
もしも、1月や2月に台風が日本列島に上陸したとしても、同じ様に暖かい冬になると考えられています。
暖かい冬になる条件として、太平洋高気圧が9月並の勢力を持って偏西風を北に押し上げなければなりません。
その場合は、記録的な暖冬になると推測されます。
もし、平年並みの寒さの状態で台風が日本列島に来たとしても、前線が発生するので台風としての構造をすぐに失ってしまうでしょう。
その場合は台風ではなく『強力な温帯低気圧』として接近してくることは考えられます。
台風が接近してくると、南の温かい空気を持ってくることには変わりはありませんので、関東地方などに雪が降る可能性は極めて低いと言えます。
ですが、低気圧が関東南岸を通過すれば、大雪に近い降雪があるかもしれません。
台風が冬に発生することはないの?日本へ接近も上陸する恐れも0%?のまとめ
台風は条件さえ揃っていれば、一年中発生しています。
北半球の冬では、台風の発生場所となる西太平洋の北緯20度付近の海水温度が低くなることから、台風の発生率が低くなっているだけなのです。
冬場に発生した台風は日本に接近せず、東南アジアの方に行ってしまうのが通常のルートですので、今後も冬の台風に見舞われることはないと断言しても良さそうですね。