
「洗ったマスクにアイロンかけたらとけちゃったーー!」
マスクを『洗って干して洗って干して・・・』ってくり返し使っていると、シワが気になってくるのよね。
そのシワを、ピリッ!とシャキッ!とさせるためにアイロンをあてると・・・一瞬で溶けちゃった!なんて経験は、ありませんか?
溶けた瞬間は本当に「やっちまったなぁ・・・」感にさいなまれ、自己嫌悪に陥ってしまうのよね。
でもそれは、あなたが悪いわけではないのよ。
そう。溶けるマスクが悪いんだ。
溶けてしまうマスクが悪いのは確かなんだけど、今後のために知っておくべきことは『マスクは素材によってアイロンの熱に溶ける』という事実よ。
そもそも不織布マスクというのは安価で製造されている代物だから、洗って再利用する想定がない商品なの。
ましてや、使い捨てアイテムにアイロンをかける日がこようとは、製造する従業員さんとしては想像もしなかったことよ。

「これこそ『おったまげー』だわね」
そこで今回は、不織布マスクにアイロンをかける場合の注意点についてまとめたわ。
溶けたマスクの、処理のしかたについても解説していくわね。
目 次
不織布マスクの正しいアイロンのかけ方
高温にめっぽう弱い不織布マスクだけど、2つのポイントをおさえることでアイロンをかけることができるようになるわ。
- アイロン温度を低温に設定する
- マスクにあて布をする
「なるほど。低温設定と、あて布が必要だったのね」
不織布にアイロンをあてるときは80~120℃の低温に設定し、ハンカチなどであて布をしてから丁寧にシワ伸ばしていくのよ。
あて布の上からスチームをあてることで、よりしっかりとシワが伸びてくれるわ。
アイロンは、押し当てるように使うのではなく、優しくなでるように一方方向に向かってサッサッサッとかけるのがコツよ。
表面からだけでも十分キレイにシワは伸びるけど、マスクをひっくり返して裏面からもアイロンをあてるとピンシャキになるわよ!
冒頭でもお話しましたように本来ならば不織布マスクは、アイロンをかける想定がないの。
なぜなら、使い捨てマスクだから・・・だよな。
しかし不織布の耐久温度は、100℃程度とされているから。
不織布が耐えられる温度内であれば、アイロンをかけても溶ける心配はないということになるわね。
アイロンを低温に設定する
アイロンには、低温・中温・高温の3つの温度設定が可能になっているわ。
それぞれの温度は次のように設定されているわよ。
- 低温・80~120℃
- 中温・140~160℃
- 高温・180~210℃
温度が高ければ高いほど洗濯ジワをきれいに伸ばしてくれるっていうイメージがあるアイロンだけど、そうではなくって、それぞれの布には『適正温度』があるのよ。
「不織布の場合は、100℃程度っていうわけか」
100℃前後にしか耐えられない不織布には、低温に設定するのが正解よ。
しかし、ここで疑問が湧いてくるわよね?
低温の、80~100℃には耐えられるだろうけど、100~120℃には耐えられるのだろうか?
当然の疑問だと思うわ。
だって100℃にしか耐えられないのに、120℃まで上がっちゃったら溶けるやんって、なるもの。
そこで必要になってくるのが、あて布よ。
マスクにあて布をする
あて布は、直接アイロンの熱を伝えないようにするだけでなく、生地のいたみやテカリなどを防止するという役割を果たしているの。
不織布マスクは高温に弱い化学繊維でできているので、あて布は必須となっているのよね。
あて布をすることによって120℃という高温からマスクを守ることができ、万が一溶け出したとしても、被害を最小限に留めることができるというわけなの。
「でもあて布なんかして、ちゃんとシワを伸ばせるの?」
大丈夫よ。
不織布のあて布としておすすめする生地は、綿なの。
綿は熱に強く、熱を伝えるチカラにも長けているので、あて布としては最適最強なのよ。
使い方としては、こうよ。
あて布は、あらかじめ水で濡らしておき固くしぼって使用するの。
アイロンをかけている最中あて布が乾いてしまったら、そのときは再び水で濡らして固くしぼって使う・・・を繰り返すの。
ひとくちに不織布マスクといっても、安価なものから高品質のものまであります。
安価なマスクであれば、水で絞った薄いタオルか厚めの綿の布を上からあてて、中温(120~140℃)よりも低めの温度であれば溶けることはないでしょう。
しかし、高品質の不織布マスクとなると、商品によっては低い温度でも内部が溶けてしまうものがあるので注意が必要です。
たとえるなら、
- 夜店で販売されるかき氷が、安価なマスク
- 専門店のフワフワのかき氷が、高級なマスク
夜店のかき氷は、氷のザクザク感がいつまでものこっているけど、専門店のかき氷は、氷の柔らかさや滑らかさが際立っているわよね。

マスクもかき氷も、お値段が高ければ高いほど繊細ということよ。
「かき氷シロップって、実は同じ味なのよね」
そうそう。
いちごもメロンもラムネもぜんぶ同じ味で、違うのは着色料だけなのよね。
おっとっと・・・。このはなしは別の記事でね。
不織布マスクがアイロンと相性が悪い理由
不織布マスクは一見すると白い紙のようにみえますが、その材料はポリプロピレンやポリエステルといった化学繊維(石油や天然ガス)でできているの。
ポリプロピレン | 非常に軽く速乾性に優れている 熱に弱い |
ポリエステル | 型崩れを起こさない 耐久性に優れている 吸水性が低い 熱にも弱い |
「化学繊維って、高温の熱にメチャクチャ弱いのね。ここまでとは・・・」
不織布とは、通常の布のように縦横に織って作られたものではなくってよ。
織ったり編んだりをせずに、布のような形態に作られているところから『織られていない布』=『不織布』と呼ばれているの。
では、不織布がどのように製造されているのかというと、繊維同士を接着剤でくっつけたり、熱を加えてくっつけたりしているのよ。
本来は一度使ったら捨てる商品として製造されているものなので、洗って何度もくり返し使うことは想定されていないわ。
なので、アイロンをかけること自体がそもそも想定外なのよ。
そんなところにアイロンをあててしまうから、高温に弱い不織布は一瞬にして溶けてしまうっていうわけよ。
不織布マスクがこびりついたアイロンの掃除方法
「みちる様。私のアイロン、溶けたマスクがこびり着いちゃったんだけど。
もう、捨てるしかないのかしら・・・」
マスクにアイロンをあてるときは、
- 低温設定で
- あて布必須で
- やさしく撫でるようにする
のが基本だったわね。
魔女子さんのように、ポイントをしらずにアイロンをかけてしまっては、時すでに遅し。
でも、魔女子さんが悪いわけじゃないわ。
マスクにアイロンをかけなければならない状況にしちゃった、世の中が良くないのよ。
だからといって、溶けてしまったマスクをそのまんまくっつけて放置していると、ウッカリ忘れてお気に入りの衣類に転写させてしまいかねないわ。
アイロンにこびりついたマスクは、早急に取りのぞきましょう。
不織布マスクがこびりついたアイロンは高温で除去
アイロンについてしまったマスクを取り除くためには、アイロンの温度を高温に設定し、くっついたものを溶かすの。
高温ってことは、180℃以上にするか。
アイロンを温めている間に、濡らして固く絞った古布やタオルなどを準備しましょう。
マスクがしっかり溶けたところで、古布などにアイロンを当ててこすり移してしまえば、きれいに取り除くことができるわ。
一面で取り切れなかったらマスクを拭っていない面にして、同じようにこすり移しを繰り返すの。
古布に何もくっつかなくなるまでね。
途中で古布が乾いてしまったら、最初と同じように濡らして固く絞りましょうね。
アイロン面は高温なので、火傷に注意が必要よ。
不織布マスクがこびりついたアイロンを冷まして除去
不織布マスクが溶けてくっついてしまったアイロンを、電源を切って冷ましましょう。
数日放置すると、アイロンの表面がカピカピになってくっついたものが白く浮いてくるわ。
浮いてきた部分は、手で簡単に取れるわよ。
「炊飯器の電源をきったあとの、オカマがカピカピになる感じね」
浮いてこなかった部分は、エナメルリムーバー(除光液)を含ませたティッシュで拭き取れはOKよ。
とくに蒸気穴は、エナメルリムーバーを含ませた綿棒で拭けば簡単に落とすことができるわ。
仕上げに濡れタオルで拭き取れば、アイロンはきれいにもと通りよ。
不織布マスクがこびりついたアイロン台の掃除方法
アイロンもさることながら、アイロン台のほうも忘れちゃいけないわ。
アイロンをかけるとき、アイロン台を併用するわよね。
ほとんどの場合、不織布マスクにアイロンをかけると高温となるアイロンの方にベターッとくっついてしまうんだけど、まれにアイロン台の方にも溶けたマスクがこびりついてしまうことがあるの。
アイロン台についたマスクも、サクッと削り取っていきましょう。
使うのは、ペットボトルのキャップが有効よ。
これで円を描くように動かして、アイロン台についたマスク素材をこそぎ落としていきましょう。
不織布マスクがアイロンで溶けた!アイロンやアイロン台の対処法!のまとめ
不織布マスクは本来、アイロンをかける想定がないわ!
しかしアイロンをかけざるを得ない状況において、2つのポイントをおさえておこなえば大きな失敗は免れたわね。
- アイロンの温度は低温(80~120℃)に設定
- あて布を使用すること
不織布マスクの素材は、主にポリプロピレンやポリエステルといった化学繊維。
化学繊維は非常に熱に弱いため、直接アイロンを当ててしまうと一瞬で溶けてしまうの。
もし万が一にもマスクが溶けてしまった場合には、そのまま放置をせず、必ずとりのぞいておきましょうね。
- アイロンを高温にして拭う
- アイロンを冷まして削り取る
アイロン台にくっついたマスクには、ペットボトルのキャップが有効だったな。みちる。
くれぐれもアイロンを使用するときは、ヤケドに注意してくださいね。