もうすぐ七夕ですね。
七夕といえば『笹』『短冊』そして『天の川』ではないでしょうか。
普段あまり着ない浴衣姿で、笹に願い事をしたためた短冊を飾り付けて歌を歌って。織姫と彦星は再開できたかなぁなんて、思いを馳せる日です。
しかし、そんなムードとは裏腹に、毎年7月7日は雨や曇でスッキリ晴れる日がありません。
せっかくの天の川が全然見えない!ですよね。
毎年、天の川が見られなかったと嘆いているあなたに朗報です。
実は天の川って毎年ちゃんと見ることが出来るんですよ。
そこで今回は天の川観測に最適な時期や方角や時間、見える場所についてまとめました。
是非参考にしてみてくださいね。
目 次
天の川の時期は七夕ではない?
七夕を迎えた当日、笹には願い事をしたためた短冊を飾って、みんなで浴衣を着て、七夕ならではの食事がいっぱい並んで、楽しい雰囲気に包まれているのに。
空を見上げると満点の星空ではなく、どんよりと厚い雲に覆われていて、何なら雨まで降っていてせっかくの七夕様が台無しってことありませんか?
思い返せば毎年、ほとんどそうですよね。
実際に過去56年間のお天気を見てみると、15時から晴れ間を見せてくれたのはたったの17回です。
その他は、曇が26回・雨が13回となっています。
晴れ間を見せてくれた17回も15時までは雨が降っていたのですから、毎年七夕には雨が降っている印象があって然りなのです。
なぜ七夕なのに肝心の天の川が見えないのでしょう。
それは、日本が梅雨の時期に真っ只中だからです。
梅雨の時期は毎日シトシトしていて、空だけでなく気分もどんよりしてしまいますよね。
スッキリしている方がおかしいのです。
でも、織姫と彦星はカササギの力で一年に一度の再会を楽しんでいるので安心してくださいね。
『七夕伝説・・・織姫と彦星のちょっぴり切ないラブストーリー』も合わせてご参照ください!
「天の川を見るチャンスは七夕しかないのに!」と、思っているあなた。
実は天の川は年中通して夜空に浮かんでいるのですよ。
そう。一年中、365日毎日です。
地球を含む太陽系は天の川銀河(以前は銀河系と呼ばれていました)に属しています。
あの宇宙に渦巻く巨大な銀河の中に私たちは生きているのです。想像したら、ちょっと不思議ですよね。
「だったらなぜ晴れた夜、天の川が見えないんだ!」と怒鳴られそうですが、天の川を見るのには条件がありました。
地球がどの位置にあって、どちらの方向の空を見るのかが重要なのです。
地球は太陽の周りを公転しているので、毎日ちょっとずつ見える空が傾いていくのはご存知ですよね。
これは中学生時代に理科の時間で学習したとおりで、一ヶ月で30°も空は傾いています。
一般的に私たちが『天の川』として親しんでいる姿は、銀河の中心部分、いわゆる『ブラックホール』と呼ばれている場所に当たります。
銀河の中心部分・ブラックホールが一番明るく光っているので最も観測しやすく、これが夜の空に浮かび上がる時期が『夏』なのです。
つまり梅雨が明けて、これから夏を楽しむぜぃ!って時が一番観測しやすいのです。
天の川を観測するのに最適な時期は、子供たちが夏休みを迎えた時期と覚えておきましょう。
ポイントどうしても7月7日に天の川をみたいと思っている人は、雨季ではない海外か、国内だと梅雨の時期がない北海道で観測することができます。
天の川は8月に観測すべし!方角は?
天の川を観測するのに最適な時期が『夏休み』と丸かぶりしていることが分かりました。
では、どの方角を見上げれば天の川が見えるのでしょうか。
北の空を見ると、Wの形をしたカシオペア座が見られると思います。(分からない人は星座早見盤のアプリを活用しましょう)
そのカシオペア座の辺りから頭上に向かって、ボヤッとした薄雲のようなものが見えます。
これこそが『天の川』であり『銀河の中心部分』なのであります。
真上を仰ぐとそこには、巨大な不等辺三角形『夏の大三角形』があります。
その内の一点で、天の川の真ん中に位置しているのが、はくちょう座の『デネブ』、天の川をはさんだ二点がこと座の『ベガ』とわし座の『アルタイル』となり、織姫と彦星を現しています。
天の川はそのまま南の方へ降りてきて、赤い星(さそり座)まで続いています。
こんな感じにキラキラ光る星々が密集して見えると思っていた人(はいっ!私です!)
「こんなに晴れているのに、あそこだけ雲がかかってない?」という部分こそが『天の川』ですので気をつけて観測してみてください!
実際はこんな感じですよ。
天の川が見える場所を伝授!
肉眼でも天の川が観測できる場所とはどんなスポットなのでしょう。
やはりなんといっても、天の川観測を左右するのが街明かりとなります。
街灯一つあるのとないのとでは、夜空の星の見える量が全然違ってきます。
前章でもご紹介したとおり、天の川は薄雲がかったような姿をしていますので、周りが明るくないことが必須条件となります。
加えて、月の光にも注意が必要です。
特に満月が出ている日は絶望的に空が明るく照らされていますので、天の川の淡い光は月光にかき消されてしまいます。
月が姿を現さない、新月の日を狙って観測に臨みましょう。
そして意外にも時間もまた、重要となってきます。
一番美しく見えるのが20時から22時頃となっています。
南を向いて立ち頭上を仰ぎます。
少し東側(左)の方をみるとモクモクしたものが見えると思います。それが天の川です。
都会に住んでいる人にとっては、そこから天の川を見ることはかなり難しいことでしょう。
少し足を伸ばし、自然豊かな場所に足を伸ばせばどこでも見ることが出来ます。
天の川観測の最適な時期は七夕の日ではないのまとめ
昔の七夕とは旧暦に沿ったもので、新暦で言うと8月に当たります。
現在の七夕・7月7日は梅雨の時期ですので天の川を見ることはかなり難しいと思っておいてください。
天の川観測の最適な条件をまとめておきます。
時間/ 20時~22時
方角/ 真上を仰ぎ、少し東の方向
●月が姿を現さない新月の日
●周りに街灯など明るいものがない場所
●よく晴れた日
ずっと変だと思っていた謎がようやく解け、全容が明らかになったように思えます。
今年の夏こそ天の川とのご対面が果たせそうですね。