七夕といえば、七夕飾りを飾って短冊に願い事を書いて、7月7日の夜には天の川を渡り、織姫様と彦星様が年に一度の再会を果たされるロマンティックな催し・・・ですよね。
でもこれって、日本独自の風習ってご存知ですか?
『なぜ竹笹を飾るのか』
『なぜ短冊に願い事を書くのか』
『いったいいつ頃から始まったのか』
考え出すとキリがありませんが疑問に思えて過ぎて、夜も眠れなくなるほど不思議です。
筍の時期が過ぎ、ちょうどいい大きさに成長した竹がたくさんあるから、まっすぐ伸びる様にと子供の成長を願って・・・七夕飾りに利用しようと・・・思ったわけではありませんよ!
実はちゃんとした理由があったのです!
そこで今回は、七夕の由来と、笹竹・短冊を飾る意味についてご紹介していきたいと思います。
目 次
七夕の由来とは?
七夕とは元々、古来中国から伝わってきたものでした。
中国では『乞巧奠(きこうでん)』の行事として、機織りや裁縫の上達を祈り、祭壇に金銀の針と五色の糸を供え星に祈りを捧げます。
後には、機織りだけではなく手芸・芸事・書道といった習い事の上達を願う行事として変化しました。
日本では『棚機(たなばた)』という風習があり、乙女が清らかな川のほとりに建物にこもって神様のために着物を織り、秋の豊作を祈願したり、穢れを祓ったりする行事が7月7日に行われていました。
この乙女のことを『棚機女(たなばたつめ)』、織り機のことを『棚機(たなばた)』と呼んでいました。
『乞巧奠(きこうでん)』が、奈良時代の日本に伝わると、日本の機織りと融合し、七夕(しちせき)と呼ばれる宮中行事となりました。
中国と同じように祭壇を設けてお供え物をし、機織りや裁縫・技芸の上達を祈ったのが七夕のルーツと言われています。
七夕飾りに欠かせない竹笹の意味
七夕飾りに必要不可欠の『竹笹』です。
なぜ笹なのかというと、それは天に向かって真っすぐ伸びる生命力の強さを感じたり、殺菌力の強い葉には、魔(厄)除けの力があると考えられていたからです。
七夕飾りの風習が始まるより以前から、竹・笹は神聖な力が宿っていると信じられてきました。
そのため、笹で身体を清め、厄払いの儀式に用いられていました。
また竹には空洞があり、そこには神が宿るとも考えられていました。
他にも、織姫様と彦星様へのお供え物の目印として、祭壇の傍に竹笹をたてたとも言われています。
七夕飾りの竹笹い飾る短冊の意味
古来中国の『乞巧奠(きこうでん)』では五色の糸を飾り付けていましたが、日本に伝わった後、この糸が布となりました。
江戸時代になり、庶民の間で七夕が広まると、高価な布はなかなか手に入れにくいことから、紙の短冊へと変化していきました。
短冊に願い事を書くようになったのも江戸時代に入ってからのことです。
かつて、七夕が宮中行事だった頃は、カラドリの葉にたまった夜露で墨をすり、梶の葉に和歌を書き笹竹に吊るすことで、書道などの上達を願う風習がありました。
江戸幕府は七夕を五節句の一つと定め、民間行事となることで、当時庶民の間で広まっていた習字の上達を願って短冊に願いを書くようになったといわれています。
五色の短冊とは
「五色の短冊」の五色は、中国の陰陽五行説からきています。
「赤」「青」「黄」「白」「黒」の五色のことで、それぞれの色は「人間の守るべき5つの徳(五徳)と対応している」といわれています。
色と五徳の対応、それぞれの色が持つ意味は以下の通りになります。
○ 赤=礼 父母や祖先への感謝の気持ち
○ 黄=信 信頼、知人・友人を大切にする
○ 白=義 義務や決まりを守る
○ 黒=智 学業の向上
後になって「黒」は、古くからすべてをまとめる色で「最上色」といわれる「紫」に変わり、「赤」「青」「黄」「白」「紫」の五色となりました。
※ ちなみに、「青」は「緑」でも代用することができます。
七夕の由来とは?七夕飾りの竹笹と短冊に願い事をしたためる意味のまとめ
現在の七夕は季節の変わり目を祝う年中行事として広く知られています。
しかし、伝統的な方法で四季の移ろいを愛でることは少なくなってきました。
今年の七夕は、願いを込めた短冊を竹笹に飾り付け夏の訪れを感じながら、天の川に願い事をしてみませんか。