台風でもバイクで通勤できる?!運転するリスクは雨と風と飛来物!

夏に関すること
白石
白石

ねぇ、台風なんだから今日は休めば?!

透真の声には焦りが滲んでいた。

窓の外では木々が強風に揺れ、雨がバケツをひっくり返したように降り注いでいる。

天澤
天澤

大げさ。

カッパ着てゆっくり走ればなんとかなるって。

陽翔がヘルメットを手にしながら軽く笑う余裕の表情に、透真は苛立ちを隠せない。

白石
白石

“何とかなる”じゃなくて、”何ともならなくなる”んだよ。

バイクは無力なんだってば!

透真は陽翔の腕をつかみ、真剣な眼差しで続けた。

白石
白石

雨ですべる危険もあるし、風で倒れるかもしれない。

それに飛んでくるものに当たったらどうするの?いのちの方が大事だよ。

陽翔は一瞬、視線をそらしたが、「それでも行くっていうなら、もう止めない。自分で責任取ってよ。」と透真が呟くようにいうと、胸がざわついた。

天澤
天澤

・・・わかったよ。

陽翔は小さくため息をつきながらヘルメットを置いた。

天澤
天澤

べつにお前に言われたからってわけじゃないからな。

素直じゃないその言葉に、透真は少し呆れながらもホッとしたように微笑んだ。

台風の中でバイク通勤するリスクを軽視する陽翔と、それを心配する透真。

この記事では、台風時にバイクで通勤することの危険性を解説していきます。

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台風時のバイク通勤リスク①:雨

白石
白石

台風の雨はただの雨じゃないんだよ!

視界も奪われるし、路面だってすべりやすくなる!

透真がそう言いながら陽翔を見つめる。

その言葉には、ただ心配するだけでなく、台風の風の本当の強さを伝えたいという切実な思いが込められていた。

台風時の雨は、普段の雨とはまったく異なる危険性を持っています。

通常の雨でも路面がすべりやすくなるため、バイクの運転には注意が必要ですが、台風の雨はそれ以上です。

◆水たまりの罠

まず、雨量が圧倒的に多いこと。

台風の雨は短時間で大量に降るため、道路が完遂することがあります。

完遂した道路では、路面の状態が見えにくくなり、バイクのタイヤがグリップを失いやすくなります。

さらに排水口が詰まりやすい都市部では、深い水たまりができることもあり、エンジンが浸水するリスクも考えられます。

たとえば、大雨でできた水たまりが5cm以上になると、ハンドルが取られやすくなりバイクは不安定になります。

ブレーキも効きにくくなり、停止できずに事故に直結する危険があります。

  • 道路にくぼみがあれば水深が20 cmを超えることも
  • マンホールのフタが浮き、タイヤがはまる危険性
  • オイルが浮いた路面は、氷の上のようにツルツルすべる

◆視界ゼロの恐怖

台風時の雨は強風とセットで降るため、通常の雨とは桁違いの勢いでふりつけます。

ヘルメットのシールドに横殴りの雨粒が次々と叩きつけられ、視界は一気にゼロに近づきます。

ワイパーのないバイクでは雨粒を拭うこともできず、前方がぼやけるどころかほとんど見えなくなることも。

さらに、風で飛ばされたゴミや泥がシールドに付着することで、視界はさらに悪化します。

そしてヘルメットの内側は、呼吸のあたたかさで曇ります。

これでは瞬時の判断が難しく安全な運転どころか、目的地にたどり着くことすら困難です。

  • シールドの撥水加工も大雨では視界不良
  • 車のテールランプもぼやけて、距離感を失う

◆事故のリスク大

台風の雨による視界不良では、バイクに乗る自分だけの問題ではありません

周囲を走行する車のドライバーも、激しい雨で視界が悪くなり、バイクの存在に気づきにくくなっています。

とくに、暗い色の服装や小型のバイクだと、雨の中ではさらに目立たなくなり、接触事故のリスクが急上昇します。

また、急ブレーキをかける車が増える中で、バイクは滑りやすい路面の影響を受けて停止が間に合わないケースも。

台風の中でのバイク通勤は、周囲の状況がさらに危険を高める要因となるのです。

「気をつければ大丈夫」ではなく、「気をつけても見落とされる」のが問題なのです。

  • 車のワイパーが豪雨ではほぼ無意味になることも
  • 車のドライバーも視野が狭くなるため、気づかれず幅寄せされる
  • 歩行者も見えづらく、急な飛び出しに対応できない
天澤
天澤

・・・ヘルメットのシールド、拭いてもすぐ濡れるしな。

前が見えないのは確かに怖いかも。

台風時のバイク通勤リスク②:風

白石
白石

台風の風を甘く見ないで!バイクなんて、突風一発で横倒しになるんだから!

透真は、陽翔が軽く考えている様子に胸がざわついていた。

無理をして事故に遭う姿なんて絶対に見たくない。こころの奥底ではただただ無事でいて欲しいだけなのだ。

台風時の風の危険性は、ただ「強い」という言葉だけでは片付けられません。

あらゆる要素がライダーにとって致命的なリスクとなり得ます。

このような状況でのバイク通勤は、命を懸ける行為だと理解しておくべきです。

台風の風はただの強風ではなく、予測不能な動きをしながらバイクを翻弄する魔物ですから。

◆横風で強制車線変更

台風時の風は、普段の風とは桁違いの威力を持っています。

とくにバイクは車体が軽いため、横風をまともに受けるとバランスを崩し、意図せず車線を移動してしまうことがあります。

強風に煽られて隣の車線に流されたら、周囲の車両との接触や追突事故につながる危険性が非常に高いです。

たとえ低速で走行していても、突風の力は予測不能。

とくに橋の上やビルの間など、風が集中する場所では危険度がさらに増します。

60km/hで走行中に受ける突然の突風は、体ごとバイクが数十cm以上横に流されることになります。

対向車線に飛ばされたら、命の保証はされません。

  • トンネルを出た瞬間、強風にあおられて転倒
  • 高架道路は風が抜けるため、橋より危険
  • 風速15m/sを超えるとバイクがふらつき始める

◆信号待ちでも転倒の危機

停車中だからといって安心はできません。

バイクは車に比べて接地面積が小さく、強風に煽られると簡単に倒れてしまいます。

信号待ちの間に突風が吹けば、支えている足ごとバイクが倒れ、ライダー自身が下敷きになる危険もあります。

また、転倒したバイクが隣の車や歩行者にぶつかれば、二次的な事故を引き起こす可能性も。

停車中の突風は走行中以上に避けようがなく、まさに避けられない危機といえます。

  • 強風の時は片足より、両足で踏ん張る方が安全
  • 突風にあおられると、ヘルメットがズレて視界が悪くなる

◆ダンボールの破片が凶器に

台風時の風は、地面に落ちている軽いものをも巻きあげ、狂器に変えるほどの威力を持っています。

たとえば、ただのダンボールの破片でも、風速30m/sを超える風に乗れば鉄板のような勢いでライダーに突き刺さることがあります。

風に乗った看板や木の枝、ビニールシートといった飛来物は避けるのが困難で、顔や体に直撃すれば大怪我を負う危険があります。

とくにバイクは車体がむき出しのため、こうした飛来物の被害をまともに受ける可能性が高いのです。

  • 発泡スチロールの箱ですら、バイクを吹き飛ばすほどの威力に
  • コンビニのビニール袋がヘルメットに張り付くと、視界がゼロに
天澤
天澤

・・・確かに、信号待ちで倒れたら、車に巻き込まれるかもな。

台風時のバイク通勤リスク③:飛来物

白石
白石

陽翔、台風の中じゃ、何が飛んでくるかわからない。

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ゴミだって鉄の塊みたいな勢いになるんだから!

陽翔の腕を掴み、真剣な眼差し言葉を紡ぐ透真の声には、押さえきれない焦りが滲んでいる。

普段の陽翔なら冷静な判断ができるはずだと信じているけれど、頑固な彼の性格も知っている透真は不安で胸が締め付けられる思いだった。

台風時の飛来物は、風の影響を受けるリスクの中でも最も予測不能で危険性が高いものです。

◆見えない危険が迫る

飛来物は、どこから飛んでくるかわからないという点で、ライダーにとって最大の脅威となります。

風速30m/s以上の台風では、軽いものはもちろん、看板や植木鉢のような重量物までが風に乗って飛びます。

とくに夜間や雨で視界が悪い状況では、飛来物を事前に確認するのはほぼ不可能です。

突然の衝撃でバランスを崩し、転倒や事故につながるケースも少なくありません。

◆衝撃は予想以上

たとえ軽いビニール袋や空き缶であっても、台風の強風に乗れば鋭利な刃物や鉄塊のような威力を持つことがあります。

バイクは車と違ってライダーの体がむき出しのため、飛来物が直接体を傷つける危険性が高いです。

ヘルメットやプロテクターで、ある程度防げる場合もありますが、顔や首と言った防護の薄い部分に当たれば、致命的な怪我を負うリスクがあります。

◆街全体が危険地帯

台風時は、普段は固定されている物までが飛来物になる可能性があります。

電柱の一部建築現場の資材、さらには折れた木の枝など、街全体が危険物に変わるといっても過言ではありません。

これらが走行中のバイクに直撃すれば、命の危険に直結する事故が発生することも十分に考えられます。

飛来物のリスクは、ライダー自身ではどうにもできない「避けられない危険」です。

台風時にバイクで出勤することは、こうしたリスクを身にさらす行為であり、安全を最優先に考えるべきです。

天澤
天澤

・・・ダンボールとかでも、あのスピードで飛んでくると痛いどころじゃないな。

台風でもバイクで通勤できる?!運転するリスクは雨と風と飛来物!、のまとめ

天澤
天澤

・・・正直、出勤は無理かも

白石
白石

“かも”じゃなくて“無理”なの。

台風の中でバイクなんて、陽翔が無事で済むわけないだろ。

天澤
天澤

でも、電車もバスも止まってるし、急に休むのもなんか・・・。

白石
白石

命と仕事、どっちが大事?

台風時にバイクで通勤するのは命に関わる危険があります。

以下のポイントを確認し、安全を最優先に考えましょう。

◆雨のリスク

視界が悪化:ヘルメットのシールドに雨粒が付着し前が見えない

水たまりの罠:ハンドルをとられ、転倒や事故の原因に

◆風のリスク

横風に流される:強風で車線変更を強制される危険

停車中も危険:信号待ち中に突風でバイクが倒れる可能性

◆飛来物のリスク

凶器化する物:ダンボールや小枝が風で飛び、衝突すると大事故につながる

命は一つだけです。

台風時のバイク通勤は避け、他の手段や休暇を検討してください。

天澤
天澤

いのち・・・だよな。

白石
白石

でしょ?だったら潔く休めよ。

陽翔は少し照れくさそうに笑い、透真の肩に軽く手をおいた。

その手の温もりに、透真はほんの少しだけ顔を赤らめたが、なにも言わずにそのまま受け入れた。

★おまけ★

透真は陽翔の腕の中でぬくぬくと丸まっていた。

天澤
天澤

透真、今日は休みにしたし、俺たちだけの時間を楽しもうぜ。

陽翔の低い声が耳元で囁かれるたびに、透真の心臓が跳ね上がる。

白石
白石

な、なに言ってるんだよ・・・。

そんな暇あるわけないだろ。

そう言いながらも、陽翔の温もりに抗えない自分が悔しい。

陽翔はそんな透真の耳元にさらに顔を近づけ、イタズラっぽく微笑む。

天澤
天澤

ほら、もうなにも考えなくていいから。

そういうと、優しく透真を抱きしめる。

透真の抵抗は次第に弱まり・・・、甘い空気が二人を包み込んでいった。

そのとき、不意にどこからか透真を呼ぶ声が聞こえた。

天澤
天澤

・・・透真。

透真、そろそろ起きて。

眩しい朝の光が部屋に差し込んで、至近距離にある陽翔の顔を照らしていた。

透真は陽翔の腕の中で目覚めたことに気づき、驚きながらも少し安堵する。

白石
白石

・・・夢、だったのか。

天澤
天澤

悪い夢でも見た?

陽翔が低く甘い声で問いかける。

透真は一瞬、夢の中で必死に陽翔を止めようとしていた記憶を思い出し、小さく頷いた。

白石
白石

・・・うん。

台風の中、陽翔が無理して出勤しようとして、それを止める夢。

陽翔はその言葉に少し苦笑いしながら、透真の頬に指先でそっと触れた。

天澤
天澤

俺がそんな無茶すると思う?

お前がこんなに心配してくれるのに、わざわざ危ないことなんてしないよ。

透真がホッとした表情を浮かべると、陽翔はさらに透真の髪を優しく撫で、耳元で囁くように続けた。

天澤
天澤

透真がこんなに俺のこと考えてくれてるんだ。

俺もお前を大事にしなきゃな。

・・・だから、もう心配すんな。

その言葉に透真は思わず頬を染めた。

すると陽翔が少しイタズラっぽく微笑み、透真の額に軽くくちびるを押し当てる。

天澤
天澤

それに、夢じゃなくて現実で俺がそばにいる方が、もっといいだろ?

透真は恥ずかしさを隠すように顔を伏せたが、陽翔の腕の中で感じる安心感に、心からの安堵を覚えるのだった。

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