『七夕物語』と聞いて、どんなストーリーを思い描きますか?
「織姫様と彦星様が7月7日の七夕の夜、年に一度だけのデートを楽しむ日でしょ?」
多くの人は口を揃えてこんなふうに言われますが、では『なぜ一年に一度しか会えないのでしょうか?』疑問に思ったことはありませんか?
いくら遠距離とは言え恋人同士だったら、無理をしてでも会いたいと思うものだと思いませんか?
実は、二人が遠距離をしている原因や、7月7日以外には会えない理由があったのです!
そこで今回は織姫と彦星の関係と一年に一度しか会えない理由、そして、七夕の日が雨模様だったら二人はどうなるのか?についてまとめました。
あなたの周りにもこんな人、いませんか?
目 次
七夕物語の織姫の彦星の関係とは?
織姫と彦星って、実は恋人同士ではないってご存知ですか?
愛し合っている二人が天の川で引き裂かれて暮らしており、一年に一度しか会えないなんて可哀想すぎますが、恋人同士ではないのです。
それでは『七夕物語』を紹介しながら、二人の関係性を見ていきます。
天帝にはそれはそれは美しい娘がおり、名前を織姫と言います。
織姫は機を織って神様たちの着物を作る仕事をしていました。
織姫の作る着物は、色も柄も美しくて着心地がよく、とても丈夫で素晴らしいものでした。
しかし、自分の髪や服を構おうとはせず毎日毎日、熱心に機を織るだけの暮らしをしている娘を不憫に思った天帝は、織姫にこういいました。
「織姫、毎日仕事ばかりでは可哀そうだ。お前ももう年頃だ。私がお婿さんを探してやろう」
そして色々探してみつけたのが、天の川の岸で牛を飼っている若者、彦星でした。
彦星は毎日、天の川で牛を洗ったりおいしい草を食べさせたりと、休む間もなくよく牛の面倒をみる働き者の若者だったのです。
「お前たち二人は真面目によく働く。彦星よ。私の娘と夫婦にならぬか?」
彦星はとても恐縮した様子で、
「私のような者には夢のようなお話です。ありがたくお受け致します」
織姫も彦星を一目で気に入り、二人は大変仲の良い夫婦となりました。
そうなんですよ。
織姫と彦星は恋人ではなく、籍を入れた夫婦だったのです。
どこのご家庭でも父親は娘の結婚に反対するものですが、彦星の働きっぷりに天帝は感銘を受けたのでしょうね。
天帝が見つけてきた男性で、しかも相思相愛の仲となった織姫と彦星なのに、なぜ一年に一度しか会えなくなってしまったのでしょうか。
七夕物語の織姫の彦星が一年に一度しか会えない理由
「織姫様が機織りをしないのでみんなの着物が古くてボロボロです。何とかしてください」
天の神様たちは困り果てています。
彦星の牛たちも、世話を全くしないのでどんどん痩せ細っていきました。
これを知った天帝は、二人に仕事をするようにいうのですが、
「はい、明日からやります」
返事ばかりで、いつまでたっても仕事を始める気配がなかったのです。
ついに堪忍袋の緒が切れた天帝は、織姫と彦星を引き離すことにしました。
「仕事もせずに遊び呆けるおって!お前たちは天の川の西と東で離れて暮らすが良い!」
彦星と会えなくなってしまった織姫は、悲しみのあまり毎日泣いて暮らしました。
そして彦星もまた寂しさのあまり家の中に閉じこもり、牛たちの世話をする気力もなくなり、ついに牛たちが病気となってしまいました。
見るに見兼ねた天帝は二人にこういいます。
「二人が以前のようにきちんと働いてくれるなら、月に一度、会うことを許そう」
織姫は失意の中に聞いた天帝の提案である『月に一度』を『年に一度』と聞き間違いをしたが、天帝もこれを訂正することなく頷いたのでした。
こうして心を入れ替えた二人は、たった一度の再会を楽しみに、これまで以上に仕事に精を出して働いたのでした。
やがて、待ちに待った7月7日の夜を迎えると、織姫と彦星は天の川を渡って再会を果たしデートを楽しみました。
一生懸命働いている娘のために見つけてきたお婿さん・彦星が、結婚することで遊び呆けるとは夢にも思わなかったのでしょう。
それ以上に天帝の誤算となったのは、織姫もまた彦星にうつつを抜かして仕事をしなかったことではないでしょうか。
いくらなんでも、全く働かないのは如何なものかと思います。
それにしても週末婚ならぬ七夕婚(?)は、二人に活力を与え真面目に健全な生活を送る要因となったようですね。
七夕の日が雨の夜になると天の川はどうなるの?
雨の降る日は、天の川の水かさが増して渡ることができず再会出来ないと言われていますよね。
その悲しい涙が雨となって降り注いでいるとも言います。
しかし雨が降った日も、二人はちゃんとデートすることが出来ていました。
7月7日、雨が降るとどこからともなくカササギが群れをなして飛んできて、羽を連ねて橋渡しをしてくれているのです。
天の川を隔てて西と東にある織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)を繋ぐように、翼を広げているのが白鳥(デネブ)です。
もともとこの『七夕物語』は中国が発祥で、白鳥がカササギに見立てられているのではないかとされています。
夏の大三角形の『ベガ・アルタイル・デネブ』が関係していると知ると、実際に天の川を観察してみたくなりますね。
織姫の彦星の関係とは?一年に一度しか会えない理由と雨の夜の天の川のまとめ
もうすぐ七夕ですね。
織姫の聞き間違いで『年に一度』しか会えなくなってしまったのには驚きました。
なんだかとても切ない話です。
今年の七夕の夜は短冊に願いを込めて七夕飾りをしながら、織姫と彦星が天の川を無事に渡って再会できることを祈りましょう。