むしってもむしっても、次から次へと・・・。もうウンザリする!
炎天下にさらされながらの草むしり。汐音ちゃん大変そうね。
先輩も手伝ってくださいよぉ
庭で家庭菜園や園芸を楽しまれているご家庭も、楽しまれていないご家庭も、一度は「除草がもっと簡単にできないものか?」と考えたことがあると思います。
雑草は放っておくとどんどん増えてしまい、大切なお花や野菜たちの成長を妨げることがあります。
おうちの美観も損なっちゃってるよぉ
雑草には除草剤を使うのが一般的ですが、お子さんやペットのことを考えると・・・化学薬品は使いたくないというのが常識。
そこで注目したいのが、まことしやかに噂されている熱湯や塩で除草ができるという情報です。
熱湯や塩だったら人体に害はないし、なによりお手軽で安全ね♪
熱湯なら、水道水をやかんで沸かせば簡単につくれるし。
塩も、調味料としてキッチンにあるから、わざわざ購入するという手間が省けます。
一見すると化学薬品を使わないだけに人体にも環境にも優しそうだし、経済的だから試してみたいと思ってしまいますよね。
でも待って汐音ちゃん。熱湯や塩での除草は、考えているほど簡単なことではないのよ。
そこで今回は、熱湯・塩・除草剤のメリットとデメリットを、それぞれまとめました。
ぜひ参考にしてくださいね。
よろしくお願いします!
目 次
除草には熱湯が効果的?
結論からすると、熱湯をかけることで雑草は枯れます!
まずはこちらの動画をご覧ください。
おぉっ!!すごい♡効果てきめん
熱湯除草法のメリット
熱湯をかけるだけなのに、こんなにもしっかりと本当に雑草が枯れてくれます。
なぜ熱湯が効果的なのかというと、熱湯がかかった根っこが蒸れて駄目になってしまうからです。
地上部分にある葉っぱも熱湯をかぶれば、火で焼かれるのと同じダメージを受けることとなり、しっかり枯れてくれるのです。
要するに、熱湯によって雑草の細胞を破壊するってことなんです。
雑草も細胞が集まって形成されている生き物です。
根っこから栄養を吸い上げ、葉っぱでデンプンを作り、それを糧に細胞分裂をくり返して成長をしていきます。
つまり細胞分裂する細胞さえ強制的に壊してしまえば、植物は生きることができなくなるってことです。
熱湯は水を沸騰させただけのもの。
薬品のように土壌に残留することもないので、子どもやペットがいるご家庭には安心で安全ですね!
すごいすごい!お湯だったらお風呂の残り湯がたっぷりあるから、さっそくかけちゃおっと♪
ダメダメ。お風呂の残り湯をかけても雑草は枯れくれないわよ。
ここで間違えたくないのが、雑草にかけるのは熱湯であるということです。
人が気持ちよく入浴できる温度のお湯は、雑草にとっても恵みの水としかなりません。
『熱湯でほうれん草を、サッと湯通し』のイメージで、90℃~100℃のお湯をガッツリかけるのがポイントです。
熱湯除草法のデメリット
お風呂の残り湯が使えないんじゃ、水道代がバカにならないんじゃ・・・。
水道代だけではありません。
熱湯を沸かすとなると、ガス代だって必要です。
ポットを使うにしても、電気代がどれだけかかることやら。
やかんを火にかけてグラグラさせるだけだから手軽ちゃー手軽ですが、意外と不経済なんですよね。
熱湯除草法は不経済
そうなんです。
少量の雑草や、アスファルトの隙間から生えているような小さな草に対しては、お手軽に駆除ができる便利な熱湯。
ですが、除草範囲が広くなればなるほど大量の熱湯が必要になってきます。
ここで簡単にシミュレーションしてみましょう。
庭の広さはテニスコート一面分・約260㎡と仮定。
庭の外周(コの字)に1m幅で生えていると仮定すると、雑草面積は約44㎡(畳で約22枚分に相当)。
やかんで沸かせる量は、約2.0リットルと仮定。
2.0リットルのやかんを沸かす時間は約11分と仮定。
1㎡を水浸しにするのに5.0リットル使用と仮定。
以上の条件から導き出せる数量は・・・
不可能ではないが現実的でもない
ラクして除草したいのに、コスパ悪いし労力半端ないー・・・。
コスパも悪いし労力も消耗する熱湯除草法は、作業にも危険をきたします。
90℃~100℃に沸騰した熱湯を、キッチンから庭へ運ぶ最中にこぼしてしまったら大火傷を負ってしまう恐れがあるのです。
熱湯を110回沸かせば、110回の往復が必要です。
単純作業ゆえに、転ばないとも限りませんよね。
熱湯除草法が有効ではない雑草
無効とまではいいませんが、熱湯除草法が有効ではない雑草が存在します。
・根っこが土深く伸びる雑草
・背高のっぽの雑草
根っこが土深く伸びる雑草
スギナ・タンポポみたいに根っこが土深くに伸びている雑草には、あまり効果がありません。
一時的には目に見える範囲の草が枯れるので、除草が成功したかのように思えます。
しかし、熱湯が土の中に浸透する段階で温度がさがるため、根っこ全部を焼き切ることができないのです。
そのため残った根っこが、また新しい芽をだしてきます。
背高のっぽの雑草
大きく育ちあがった雑草にも効果的とはいえません。
根っこだけでなく、葉っぱにもかけないといけない熱湯除草法。
雑草の背丈が高ければ高いほど、かける熱湯の量も増えるということです。
除草のために、どれだけ大量のお湯を沸かすことになるのでしょうか。
前章で紹介した、ザックリ目安を思い出してください。
熱湯除草法は、広範囲の除草作業には不向きなのです。
ヘタするとこれらが、倍以上かかるかもしれませんね。
熱湯除草法が有効な条件の雑草
広範囲に茂っている雑草には不向きではありますが、有効かつ経済的な雑草は次のとおりです。
・小さくて細かくて抜くのが面倒な草
・根っこが浅い草
・アスファルトやタイルの隙間などの手が届かない草
・一回のやかんで済む量の雑草
ほうれん草や麺類などを茹でたときの茹で汁を捨ててしまわずに、熱いうちにパッとかければ草は枯れてくれます。
熱湯除草法は、不要になった茹で汁を有効活用できる程度の、少量の雑草向けってことか。
除草には塩が効果的?
次に、塩をかけて除草する方法のことについて解説していきますね。
結論からすると、塩をまいても雑草は枯れてくれます。
こちらの動画をご覧ください。
雑草に塩を撒いて枯らす実験
塩を撒いて一週間が経過
塩最強!これなら熱湯よりも遥かに簡単じゃん!
塩撒き除草法のメリット
ではなぜ、塩を撒くことで雑草を枯らすことができるのでしょうか。
塩を撒いた土は塩分濃度が高くなるため、雑草の根っこの周りから水分が奪われます。
土から水分を吸収することができなくなった雑草は徐々に元気がなくなり、やがて枯れていくという仕組みなのです。
要するに雑草が脱水症状となり干からびていくというのが、塩で除草するメカニズムということなのです。
雑草が脱水症状って、ウーケールー。
塩撒き除草法のデメリット
高濃度の塩や塩水で、雑草は確実に枯れます。
そして、高濃度塩分を土がキープするので雑草はしばらく生えてこなくもなります。
一見いい事づくしのように思えますよね。
しかし土に残留した大量の塩は、枯らしたくない草木にまで被害をもたらします。
雑草の除草は成功しますが・・・、その代償としてさまざまな被害を被ることになります。
自分の家はしょうがないと諦めるとしても、ご近所さんに与える被害に対してはそうはいきませんよね。
簡単かつ安全と思われている塩での除草は、実は非常にリスクが高いといえるのでオススメはできないのです。
ちなみに除湿剤の除草法もNG
除湿剤に溜まった水でも除草ができるってきたことがあるけど・・・
『水取りぞうさん』などでおなじみの除湿剤でも、雑草駆除に効果的です。
梅雨時期にはタンスや押入れなどに大量に置いて使うので、除湿剤から出た廃水を再利用すれば経済的とも思われますよね。
しかし、草が枯れるしくみが塩と同じとなればどうでしょう。
新品の除湿剤の容器に入っている白い粒の正体は『塩化カルシウム』で、使用済みの水分は『塩化カルシウム水溶液』となります。
要するに塩化カルシウム水溶液とは、人工的に作りだした塩水ってことです。
ということはつまり・・・雑草の駆除には効果的でも。
実際に雑草駆除のために撒いた除湿剤が原因で、大木を2本も枯らしてしまったと嘆かれている人もいるくらいですからね。
ご近所トラブル必至ね。
廃水は有毒ではありませんが、将来的に何か植物を植えようと計画されているなら、庭には撒かないほうが無難です。
塩化物の発するイオンは鉄筋コンクリートにも悪影響があるので、絶対に使用しないようにしましょう。
除草の王道・除草剤は安全?
熱湯は、効率が悪いうえに経済的ではありませんでした。
塩や除湿剤も、塩害を考慮すると有効的手段ではありませんでした。
となると、残された道は除草剤を使って除草する方法です。
でもさぁ。除草剤って健康被害にあいそうで、使うの怖いんだよね。
除草剤というのは、草を枯らすための薬です。
これが安全かどうかを確認するためには、いくつかのポイントがあります。
・専門家によってきちんとテストされること
・われわれユーザーが決められたルールを守って使用すること
もちろん、注意深く使うことが大事ですが、適切に使えば心配しすぎる必要はありません。
1. 科学的なテスト
除草剤が作られると、科学者たちはそれが人や動物に害がないかどうかをたくさんのテストで調べます。
これらのテストでは、以下のようなことが行われます。
少量の除草剤が体に入ったときの影響: 食べ物や飲み物に少しだけ混ざった場合でも問題ないか確認します。
長期間使ったときの影響: 長い間、少しずつ体に入っても安全かどうかを見ます。
環境への影響: 除草剤が土や水に混ざったときに、他の生き物に悪い影響がないかを調べます。
2. 使用方法の決まり
除草剤は、安全に使うためのルールがきちんと決められています。たとえば、
使う量: 決められた量だけ使う。
使う場所: 人や動物が近くにいないところで使う。
使う時間: 天気や風の強さを考えて、安全なときに使う。
これらのルールを守れば、除草剤が体に入ったり、環境を汚したりする心配が少なくなります。
3. 見守る仕組み
除草剤が安全かどうかは、政府や専門の機関が定期的に確認しています。
新しい情報が出てきたときには、その情報をもとにさらに安全な使い方や新しいルールを作ります。
つまり、科学者たちがさまざまなテストをおこない、安全な使い方のルールを作っているので、私たちは安心して除草剤を使うことができるということです。
除草には熱湯と塩のどちらが効果的?実は除草剤が一番安全で経済的かのまとめ
熱湯での除草は可能です。
雑草の細胞を熱湯で破壊して枯らしてしまうというメカニズムです。
しかし条件によって経済的ではありませんので、オススメはできませんでしたね。
熱湯除草法は、時間とお金がかかりすぎるね。
作業中の火傷の危険もともなうから、オススメはできません。
塩撒きで除草は可能です。
撒いた塩が地面の水分を吸収することで、雑草への養分供給をたち脱水症状にするというメカニズムです。
しかし、高濃度の塩分が土に残留するので塩害をもたらします。
人体には優しいと思われる塩撒き除草法は、ご近所トラブルのもとにしかならないや。
やはり雑草駆除には、除草剤を使うのが一番確実で経済的で優秀です。
化学薬品を使用するため、専門家による仮説・検証によって安全が確立されています。
もちろん使用するわれわれユーザーが、ルールを守ることが重要となってきます。
効果の持続性や他の植物への影響などを考慮し、自分の庭や菜園に合った方法を選ぶことが大切です。
手軽さと安全性を両立させた除草法で、庭や菜園をきれいに保ちましょう。