甘酒の米麹と酒粕の効果の違いは?どっちがいい?ブレンドはアリ?

酒粕 甘酒 美味しい作り方 秘訣 効果健康・からだ

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近年、若者からおじいちゃんおばあちゃんまで、幅広くブームになっているのが『甘酒』です。

 

甘酒と言えばお正月やひな祭りといったイベントでの特別な飲み物・・・というイメージがありますが、一年通して飲むのが良しとされています。

 

『飲む点滴』と称されるほど栄養満点の甘酒は、その名に恥じぬほどの高い栄養価を含んでおり、生きたままの麹菌や酵素を取り入れることが出来ることから『ジャパニーズヨーグルト』という異名まで授けられているほど優秀な飲み物なのです。

 

江戸時代では夏の暑さを乗り切るために、栄養ドリンク剤の代わりとして甘酒が飲まれていたほど人気があったのですよ。

素晴らしいですね。

 

しかし既にご存知の通り、甘酒には二種類が存在します。

『米麹』『酒粕』です。

 

「なんで二種類もあるの?」

「違うっぽいけど、何が違うの?てか、なんで二種類もあるの?」

 

なんて、疑問だらけです。

 

栄養たっぷりドリンクだから『飲む点滴』と言われているのですが、どっちも同じ栄養価という認識で良いのでしょうか?

 

そこで今回は、米麹甘酒と酒粕甘酒にどんな違いがあるのかについてまとめました。

 

そしてどっちを飲むほうが有効なのか、もういっそ両方を混ぜて飲んでもいいかについても触れていきます。

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甘酒の米麹と酒粕の効果の違いは?

冒頭でもお伝えした通り甘酒には、米麹甘酒と酒粕甘酒の二種類が存在します。

 

どちらも乳白色の液体でトロみがあり、重厚感のある湯呑で頂くというイメージがありますよね。

 

さて、両者の違いは何なのでしょうか。

 

その答えを導くべくまずは、それぞれがどのような経緯を辿って甘酒になっているのかを見ていきます。

 

米麹の甘酒が出来るまで

1. 麹の力が作用しやすいようにお米をピカピカに磨く

2. 米を水洗いし一晩寝かせて水を含ませる

3. 高温で米を蒸す

4. 蒸し上がった米に麹菌をふりかける

5. 約60℃を保って二日間保温し米麹にする

6. 米麹と蒸した米と水を入れ糖化発酵させると米麹甘酒の出来上がり

 

酒粕の甘酒が出来るまで

1. 米をピカピカに磨く(精米)

2. コメを水洗いし水に浸し一晩おく(洗米・浸漬)

3. 高温でコメを蒸す(蒸米)

4. 蒸し上がった米に麹菌をふりかけ二日間培養(麹づくり)

5. 米麹と蒸した米と水と酵母をいれて酒のもとを作る(酒母づくり)

6. 酒のもとが糖化とアルコール発酵を同時に行いもろみを作る(並行複発酵)

7. 熟成したもろみを圧搾し日本酒と酒粕に分離させる(上槽)

8. 酒粕を水で溶き砂糖で甘味をつけて酒粕甘酒の出来上がり

 

というわけで、原料はほぼ一緒だということが分かりました。

 

米麹を作るまでは同じ工程ですが、酒粕の方はもともと『日本酒』を作っているために酵母が入りアルコール発酵させていますね。

 

酵母が入るか入らないかアルコール発酵するのかしないのか、この分岐点が両者の大きな違いとなるのです。

 

それでは、それぞれの内容成分などを見ていきます。

 

米麹の甘酒

アルコール成分がない

米と米麹の自然の甘さで主成分はブドウ糖

カロリー低め

値段が高い

食物繊維少ない

酵素を発生させる

 

麹と蒸した米のみを発酵熟成させて米麹を作る作業に当たり、消化酵素によって米のデンプンがブドウ糖に分解されます。

 

白米を良く噛んで、噛めば噛むほど甘味を感じるようになってくるのは、お米に含まれるデンプンが口の中でブドウ糖に分解されているからなのですね。

 

米麹の甘酒は、こうして人の体で行われる消化を既に行ったものなので、胃や腸に負担がかかりにくくなっています。

 

分解する必要がない米麹の甘酒は栄養がすばやく吸収される特徴があるので、すぐにエネルギーを必要とする朝や運動前にぴったりの食品なのです。

 

酵素が生きたまま腸まで届き免疫力を高めてくれることで、病気になりにくい健康な体にしてくれます。

 

強い甘味を感じさせるブドウ糖こそが、疲労回復に効果的なのですよ。

 

酒粕の甘酒

アルコール成分がある

砂糖で甘みを加える必要があり、甘味成分はショ糖

カロリー高め

低価格で作れる

食物繊維が豊富に含まれている

特殊なたんぱく質が含まれている

 

麹を発酵熟成させもろみを造り、日本酒などを精製した際に残る副産物が酒粕です。

 

酒粕は、もろみから美味しいところを搾り取ったのが日本酒に、酒粕は米や麹の残り物とされていますが、元は同じもろみだったことからも搾りカスと侮ることなかれなほど栄養価が豊富に含まれています。

 

特殊なたんぱく質である『レジスタントプロテイン』は食物繊維と似た働きをしてくれ、脂質を吸着して排泄に促してくれます。

 

言い換えれば、脂肪を吸収するのを阻害する働きがあると言えるのです。

 

このレジスタントプロテインは、蕎麦の実や高野豆腐といった極限られた食材にしか含まれていない貴重な成分なのです。

 

甘味は砂糖で補うので、飲みすぎてしまうとカロリーオーバーになってしまいます。

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ざっくりまとめると両者の関係性は、『米麹の甘酒に酵母を加え、アルコール発酵させて日本酒と酒粕に分離する』という感じですね。

 

作る工程がほぼ同じだから見た目がこんなに似ているのです。

 

どちらにも共通していえるのは、発酵食品だから栄養満点ということでした。

 

甘酒の米麹と酒粕のどっちがいいの?

結局どちらの甘酒の方がいいのでしょうか。

 

作る工程が同じでも甘酒の内容成分が随分違いますし、むしろ真逆と言っても過言ではなさそうですよね。

 

それぞれの、体のもたす効果を比較します。

 

米麹の甘酒は何に効果的?

米麹は自然な甘味で、既に分解していることから胃や腸に優しいことがわかっています。

 

一緒に食べた食事にも麹が作用し消化を助けてくれるので、胃腸への負担を軽減することが出来ます。

 

ビタミンB群は、エネルギー代謝を助けて免疫力をアップさせますので、皮膚の代謝や美肌効果に期待されます。

 

甘味のもととなるブドウ糖は砂糖と違って分子構造が単純で小さいことから、脳に直接届き即効性があることから疲労回復に一役買ってくれています。

 

ビタミンCよりも強い抗酸化作用がある『エルゴチオネイン』が、肌の老化や紫外線から守ってくれる作用があり、美容効果が非常に高いとされています。

 

アルコールを含んでいないので、朝や昼間に飲んでも眠くなりにくいです。

 

『飲む点滴』とは米麹甘酒の方で、美容と健康に優れた飲み物といえます。

 

酒粕の甘酒は何に効果的?

特殊なたんぱく質『レジスタントプロテイン』が、体内に入ってきた油と一緒になってそのまま排泄してくれる働きをしてくれます。

 

油を吸着して排泄されるということは、体内に吸収される脂肪を最小限に抑えてくれるということで、コレステロールの低下肥満制御に効果的です。

 

ダイエットに向いている飲み物です。

 

しかし、甘酒にする段階で甘味として砂糖を加えカロリーが高くなりますので、飲み過ぎには注意が必要です。

 

アルコール発酵されている酵母菌が、『アデノシン』という眠気を誘う物質の作用を高めることから、質の良い睡眠を取ることが可能になります。

 

夕食後に飲むのがベストタイミングです。

 

栄養価は酒粕甘酒の方が優秀で、ダイエットと質の良い睡眠に効果的といえます。

 

 

見た目は似ていますが、アルコールの有無で味や効能が全く違うように作用する甘酒です。

 

どちらか一方に絞って飲むというよりは、体が疲れている時は『米麹甘酒』、ゆっくり眠りたい時は『酒粕甘酒』と、TPOに合わせて飲み分ければいいですし、どうしてもアルコールが苦手なら『米麹甘酒』を飲むようにすれば良いのです。

 

甘酒の米麹と酒粕をブレンドしちゃうのってアリ?

中には、美容だけじゃなくダイエットも一緒にできたら良いのに・・・と考えちゃう人がいます。

 

私も思いました。

 

「原料は同じだから安い酒粕の甘酒を飲んでるけど、肌荒れも気になるんだよね」という人は、米麹甘酒と酒粕甘酒をブレンドしていいとこ取りした『スーパー甘酒』を作っちゃえば良いのです!

 

それぞれの甘酒の特化した特徴を活かした、スーパー甘酒!

 

「え?混ぜちゃっていいの?」

良いんです!!

 

米麹も酒粕も、日本酒で古くから活用されていた組み合わせなので、相性は抜群

 

米麹の甘酒にはブドウ糖という自然の甘味がついているので、酒粕に加える砂糖やはちみつの量を減らすことができるのです。

 

いえむしろ、米麹の甘酒の甘さがしっかりしているので、人によっては砂糖を加える必要はなくなります。

 

『米麹甘酒=酒粕甘酒-砂糖』というカロリーの方程式が成立つわけですから、両者を混ぜるだけでカロリーそのままに甘味を加え美味しく飲めるようになるのです。

 

米麹と酒粕をブレンドしたスーパー甘酒は『両者の栄養素を取り入れ』且つ『砂糖を加えないのでカロリーを抑えられる』、最強の飲み物になります。

 

ブレンドの方法に決まりやルールはありません。

 

同じ銘柄でもその年の出来で味が変わってきますので、決まった比率も存在しません。

 

どちらをどちらで割って飲んでも同じです。

 

自分の感覚で、甘さが足りないと感じたら米麹の甘酒を足し、甘すぎると感じたら酒粕の甘酒を足して甘さの調節をします。

 

ブドウ糖のやり取りで甘さを調節すれば、わざわざカロリーが高い砂糖などを入れる必要はなくなるわけです。

 

甘酒の米麹と酒粕の効果の違いは?どっちがいい?ブレンドはアリ?のまとめ

今回は、「なんで二種類の甘酒が存在するの?」という疑問を解決しました。

 

同じ工程を経て製造されるも、酵母菌を入れるか入れないかという分岐点で全く違う甘酒が出来上がっていました。

 

もともと製造する目的が違うので、成分や味が変わってくるのは当たりまえですね。

 

米麹は美容と健康に、酒粕はダイエットと良質の睡眠に効果的ということがわかりました。

 

飲み方としたら、アルコールが含まれない米麹甘酒を寝起きに、アルコールが含まれる酒粕甘酒を夜に飲むことを推奨されていましたが、ブレンドして飲む方法は想像も出来ませんでした。

 

寝る前に一杯の甘酒で、美容・健康・ダイエット・睡眠がいっぺんに取れるのはありがたいですね。

 

混ぜて、お互いの効能を阻害することはありませんし、自宅で簡単に作れますし、是非一度試してみてください!

 

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